ひざ裏の痛み
幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子などを書いています。
今回は、ソフトテニス部のキャプテン 高校3年生(男子)の
“ ひざ裏の痛み ” の症例です。
・来院時の状況:試験期間(2週間)が明けて部活動再開。
練習を始めたところ右ひざ裏に痛みを感じた。
心配になり、整形外科を受診。
痛み止めと湿布薬を処方されて安静にして様子をみる。
1週間後、練習を再開。
フォアハンド、バックハンドのどちらの時にも右ひざ裏に激痛が走る。
恩師の紹介で来院。
・問診/検査時の初見と施術方針:歩行、階段の下り、軽いジャンプ、右足関節背屈位に痛みがある様子。
まずは、日常生活を取り戻すところを目標とし、様子を見ながら運動の再開を目指す。
・本人の要望:4月から始まる大会予選には出場できるよう、身体を整えたい。
・施術(初回):痛みの出ているところを細かく調べながら施術。
仰向け、うつ伏せの両方にて、膝を90度以上曲げると痛み。
ひざ裏の痛みは、半腱様筋/半膜様筋(モモの内側の筋肉)にも出ており、関連してふくらはぎの浅層/深層とも硬く凝っている。
まず、臀部から足首まで硬くなった筋肉をゆるめる施術。
次に横向きに寝てもらい、特に硬さを感じる部分を押さえて、踵(かかと)からひざを伸ばす運動療法をゆっくり行う。痛みが出にくく筋肉を伸ばしやすいポイントを見つけながら繰り返し運動。
施術後、歩行は楽にできるようになったが、ジャンプまでは難しい様子。
・施術(2回目以降):歩行中、ひざ裏に差し込むような痛みがある。
初回と同様の施術を行うと、右足の可動域が広がり、力も入るようになる。
右下肢を伸ばす運動を数回、力を入れて行う。
軽いジャンプが出来るようになる。
ひざ裏の差し込むような痛みはなくなったが、階段下りで痛み。
痛みを検査するため、しゃがんでもらおうとするがしゃがめない。
前回同様の施術を行う。屈伸の調整をし、しゃがむことが出来るようになる。さらに、ハイジャンプが可能となった。
順調な快復の兆しがみえたので、自宅周辺の軽いジョギングからスタートし、様子をみながら部活動再開をするよう説明。
中学生のときから、時々ひざが痛むことがあった様子。
これは、もともと両ひざが十分に曲げ伸ばし出来ていなかったことが原因と思われる。
今回の症状をきっかけに、ひざ裏を伸ばすストレッチをセルフケアとして取り入れるようにアドバイス。
その後、施術を2度行って調整し終了。
今回の症例のポイントは、“ 2週間のブランクと運動 ” です。
継続しておこなっていた運動を休止すると、一般的に数日から2週間程度で筋力が落ちる(運動量などで個人差あり)と言われています。
これは、運動をしなくなった時点で、身体のエネルギーを節約するため、脳が指令をだして一時的に筋力をセーブするからです。
このお休みしている筋力は、運動を再開すると元のように回復していきます。
しかし、運動を再開したとき、休止前と同じような激しい運動を急にしてしまうことで、筋肉を損傷してしまうことがあります。
運動を再開するときには、準備運動をしっかりと行って筋肉を温める、丸1日練習をするのではなく半日程度から始める、など筋肉を労わりながら”徐々に運動に慣らしていく工夫”も必要です。
今回の症例の場合、急な運動再開で痛みが出たことによって、ひざの曲げ伸ばしが十分でないという ” 身体のクセ ” を発見することもできました。
大会前の大切なときです。
ご自身の身体を知り、ケアしながら運動することで、ケガなどのトラブルを回避し、十分な練習の結果を発揮できることを願っています。