日本の伝統的な種と食文化を守るためのローカルフード法案が参議院に提出されました! 【YouTube 堤未果の週刊アンダーワールドから】
はじめに
風です。
東日本大震災のあった翌年2012年に就農し、2014年から農薬と化学肥料を使わず、米作りを始めました。決して順風満帆ではないけれど、ようやく一生続けたいと思う生業に出会えた喜びを感じていました。ところが2018年に種子法が廃止され、種苗法改正、ゲノム編集作物の普及など、日本は次第に農家や国民のためではなく、グローバル企業のための農業に変わりつつあることに不安を感じるようになりました。しかし、ようやく明るい兆しが見えてきました。それが、【ローカルフード法】です。国際ジャーナリスト・堤未果さんのYouTube番組「堤未果の週間アンダーワールド」にてローカルフード法について説明されていますので、ご紹介します。(以下、引用)
日本のタネと食を守るローカルフード法
みなさん、こんにちは!週刊アンダーワールドの時間です。
2024年6月6日に、参議院に地域の在来品種や種苗の保存・利用を促進するための新しい法律案、いわゆるローカルフード法案が提出されたこと、知ってましたか?
実はこの法案、4年前から準備が進められていたもので、やっと提出に至ったんですよ。これは本当に大ニュースなんです!ローカルフード法は、日本各地にある伝統的な在来種を国としてしっかり守るための法案なんです。今のところ、日本には種を公共資産として保護する法律がないんですよね。
しかしながら、最近の新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ紛争のようなグローバルな危機が発生すると、各国はまず自国民を守るために、食料自給率を高めたり、国内での食料生産を強化することに力を入れ始めます。特に、農家を支援し、国産の種をできるだけ多く確保することが、どの国でも重要な取り組みとなっています。
ところが日本の場合、食に関してもそうですが、野菜の種などはほとんどが海外からのもので、自給自足が難しい状況です。また、主要農作物主法が廃止されたため、都道府県の行政が種の開発や供給に責任を持つこともできなくなりました。そのため、全国的に種を守るための法律が存在せず、食料を輸入に頼っている日本は非常にグローバルな面で脆弱な状況にあります。
人と自然が調和する地域循環型の食システム
そこで4年前に策定されたのが、このローカルフード法案です。この法律は、在来種の種が急速に減少している現状を受けて、地域で長年にわたり栽培されてきた在来品種を保護し、持続可能な地域の食システムを構築することを目的としています。また、生産者や子供たちの命と健康を守ることも重要な目標としています。具体的には、以下の3つのポイントがあります。
一つ目は、地域の気候や文化に適した多様な種苗の保全です。二つ目は、種取りの重要性や地域の生産者を守ることです。そして三つ目は、学校給食を通じて地産地消を推進し、農業を支えることです。これにより、日本の大切な農村を健全に発展させ、有事の際にも安定した食料供給を確保し、国民が安心して安全な食生活を送れるようにすることが目指されています。この法案を作成するために4年前から活動しているローカルフード法/条例推進チームがあります。詳しい経緯については、ウェブサイト localfood.jp にアクセスしてみてください。
現在、日本国内では農家の数が減少しており、戦争や自然災害、感染症の影響で化学肥料や農薬、種子の輸入が難しくなるリスクがあります。そこで、地域内で食を循環させるローカルな食システムを構築することを目指しています。この内容については、発議者である河田龍平参議議員のブログにも詳しく記載されています。
今の日本の農業には、人と自然が調和する地域循環型の食システムを作ることが求められています。
種は本当に生きた文化財と呼ばれています。何百年もの間、食べ物だけでなく、その時代の歴史や文化を受け継いでいくのが種の役割です。これを学校給食に取り入れることで、つながりを深めていくことができます。また、他の国々でも、グローバルな危機に備えて、災害やパンデミック、紛争などの影響で食料生産が困難にならないように取り組んでいます。現在、少数のグローバル企業が多くの種を支配していますが、そうした企業に依存しないために、例えばロシアでは国産の種への切り替えが進められています。遺伝子組換えや企業の特許に頼らず、国内での開発が進行中です。中国も同様の努力をしています。日本もこの流れに乗るべきです。
ローカルフード法成立のために私たちができること
日本の47都道府県には、それぞれ独自の個性を持った多様な在来種がたくさん存在しています。そして、各地域でそれを守るために努力している方々も多くいらっしゃいます。今こそ、中央政府や国会でこの重要な問題を法律として整備し、種子法などの具体的な法案を通じて、各地域の特性を活かしたローカルフード条例を導入していく必要があります。中央のローカルフード法を基盤にすれば、地方の条例に対する予算も確保しやすくなります。これを両輪として、日本に循環型のローカルな食システムを築き、私たちの大切な命の源である在来種をしっかりと守っていきましょう。これは本当に重要な法案です。現在、6日の段階で参議院に提出されたばかりで、まだ審議の初期段階にあります。この国会の期間中にしっかりと審議を行い、採決を経て賛成多数となれば、法律として成立する一歩手前まで来ています。ローカルフード4/条例推進チームは、ホームページを立ち上げた結果、全国から約1000人の方々が応援の登録をしてくれています。もしかしたら1000人を超えたかもしれません。
また、各地の地方議員や国会議員の中には、党派を超えて日本の地域に最も適した、強くて安心安全な在来種や地元の種を守ること、そして循環型の食システムを構築することが、日本の有事における食料安全保障にとても重要であると理解し、協力的に取り組んでくださっている議員の方々がたくさんいらっしゃいます。皆さん、ぜひ今の国会のうちに、あまり重要ではない法律だけでなく、私たち全員、日本国民や未来の子供たちのために、環境や文化、食料安全保障、農家や生産者、地域社会にとって非常に意義のあるローカルフード法案についても審議してもらえるように、地元の国会議員や地方議員、特に与党の議員にどんどん伝えてください。また、地元のメディアにもこの重要性を広めていただければと思います。この法案は私たちの職や生産者、そして大切な種を守るためのものですので、ぜひ審議を進めて成立に向けて力を貸してください。どうかご協力をお願いします。
もう少し詳しい情報を知りたい方は、localfood.jp で検索してみてください。きっと多くのことがわかります。
私たちは本当にあと一歩のところまで来ています。マスコミに取り上げられにくいため、話題にならずに後回しにされないように、もう一度お伝えします。お近くの国会議員や地方議員、特に与党の議員の方々に、日本の大切な種を守るローカルフード法の成立に向けて、ぜひ力を貸してほしいとお願いしたり、SNSで広めていただけると嬉しいです。私たちはあと一歩のところまで来ています。皆さん、一緒に頑張りましょう!
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