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夜にしがみついて 朝で溶かして
『ナイト・オン・ザ・プラネット』という映画を観てきました。
1991年製作のもので現在、Filmarksの名作リバイバルの第6弾として全国の映画館で1週間限定で上映されています。
国内最大級の映画・ドラマ・アニメのレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」主催のリバイバル上映プロジェクトにて、『ナイト・オン・ザ・プラネット』を2月16日(金)より1週間限定で再上映することが決定。
この映画を映画館で観ようとしたきっかけが明確にあって、元々はクリープハイプというバンドの「ナイトオンザプラネット」という曲に出会ったのが最初です。"夜にしがみついて 朝で溶かして"というフレーズがとても気に入ってしまい一時期ずっと聞いていました。
歌詞の中で映画のシーンや監督、女優について書かれている部分があって、そこで初めて『ナイト・オン・ザ・プラネット』という映画があることを知りました。
その後に『ちょっと思い出しただけ』という映画を観て、その中にも『ナイト・オン・ザ・プラネット』が何度も引用されていて、これはとうとう本家本元を観るしか無いと思っていたところにこのリバイバル上映でした。
(『ちょっと思い出しただけ』珍しい構成の恋愛映画で普段このジャンルを観ない僕でも楽しめました)
『ナイト・オン・ザ・プラネット』についてロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキで同じ時間に走る小さなタクシーの中で起こるなんてことのない物語を描いたオムニバス映画。
それぞれの都市で運転手と客のその時しか味わえない会話がなんか心地良い。
僕は5編の中でロサンゼルスとニューヨークが好みでした。
特にロサンゼルス編で強烈に好きなシーンがあって、若い女性タクシードライバーのコーキーと映画のキャスティングエージェントを仕事にしているベテランのヴィクトリアの会話。
ヴィクトリアはコーキーの魅力に気付き「あなた映画女優にならない」と突然スカウトをするところでコーキーは「私には人生プランがあって、今その通りに進んでいるの」ときっぱり断る。
急に開かれた大きな道に見向きもせず、今歩いてる道を踏みしめているコーキーの芯の強さがすごい格好良く見えた。
もし自分だったらあるかもしれない可能性に揺らいじゃうだろうなぁと観ながら考えてました。自信を持って人生プランがあって、こう進んでるの!なんてとても言えない。
自分よりも遥かに若いコーキーから小さな傷と憧れを貰えたロサンゼルス編でした。
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二人がタバコを吸っているシーン格好いいね
今回は千葉県柏市にあるキネマ旬報シアターという映画館で観てきました。
自作のポップだったり、懐かしの映画パンフレットコーナーや映画資料が一杯あって上映前でも楽しめました。
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