呪染2〜憑神ノ社〜 《神隠し編》【最終話】
【最終話】神隠し
「うーん………」
太一がシャロンを連れて自室に戻ってきた。部屋には、首をしかめて何かの本をじっと見つめる桃華の姿があった。彼女が読んでいる本は分厚く、いくらか年季が経っているようだ。
「何読んでるんですか?」
「ああ、これですか? 父が都市伝説が好きで、コレクションしてたやつを持ってきたんです。休憩の時とか退屈しないように。この本に、町の都市伝説があるか探してたんですけど、これ、見てください」
太一は、桃華が指差すページを覗いた。シャロンも続いて首を伸ばす。
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