古都という名の乙女

ユミコと同じく、高校3年生のクラスメイトだった古都ちゃん。
 ユミコが呼び捨てなのに対して彼女がちゃん付けなのは、控えめで物静かだったユミコとは対照的に、彼女は誰とでも屈託なく喋り笑う、クラスのアイドル的存在だったからです。古都といえば奈良、京都であり、山口百恵が主演した川端康成の小説のタイトルですが、開拓地北海道にはそぐわないその叙情的な名前は、彼女の父親が、私たちの高校の現代国語の先生だったからでしょう。
『モンテカルロで乾杯』の頃の庄野真代さんによく似た美女でした。

古都ちゃんと


これは私が京都で予備校生だった夏。暑さに耐えかねて函館に逃げ帰った時に一緒に喫茶店に行った時の写真です。高校時代には個人的に特に親しかったわけではありませんが、1日付き合ってくれたのは浪人の私に同情してくれたのでしょう。お店の人にシャッターを押してもらったんだと思います。

第一回目のクラス会にて、ヒゲを落とした私と


 古都ちゃんは、現役で地元の教育大学に進み、卒業後はやはり地元の小学校の先生になりましたが、その後結婚して東京に行ったそうです。

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