小田川クソ小説 第8話 「カヤック」
高校の林間学習でカヤック体験をする事になった。子供の頃に、お父さんに乗せて貰った事があるので、僕は凄く楽しみだった。
班決めの際、クラスのトップ陽キャが
「俺と一緒にカヤックを転覆させようぜ!!」と提案し、
「良く言った!!お前は最高の友達だな!!」と周りは賞賛の声をあげたが、僕はそんな悪ふざけをせずに普通に乗りたかったので「あいつら、マジ気分悪いよな」と隣の女子に言ったが無視されました。
心の中で『あの班は嫌だ…嫌だ』と念じたが、大体そういう時の願望は叶わない。結果、トップ陽キャと同じ班になった。
そしていよいよカヤック体験の日が来た。乗る前に注意事項を係の人から聞くが、トップ陽キャは一切聞く耳を持たず「ま〇こまん〇〇んこ」と下ネタを連呼しまくっていた。僕のテンションはだだ下がりであった。
みんな湖の浅瀬でゆったりと楽しんでいたが、僕だけ意味不明な奴と地獄の片道切符を握らされてしまった。
中途半端な奴が浅瀬で転覆したりして遊んでいた。それを見たトップ陽キャが刺激され「俺らはな…伝説の『沖MAX』じゃああああああ!!!!!」と言って全速力でパドルで漕ぎだした。「お前もやれ。」と指示されたのでなすがままに従った。
「お前らぁぁぁああああ!!どこまで行くんじゃあああ!!!」
先生が怒号を飛ばしたが、陽キャは無視して漕ぎまくった。
「これが伝説じゃあああああああああ!!!!」
ジャバーン
勢いよく体を右に傾け、ボートは転覆した。
直ちに係の人が救命ボートを出動させ、100m先にいた僕らを引き上げてくれた。救命着を着ていたので何とか無事だったが、湖はかなり汚く、身体に異臭が付いてしまった。
乗り場に戻ると良彦先生がドカ切れして
「何考えとるんじゃ貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」と怒られ、トップ陽キャの頭に、力一杯、拳骨をかました。
そして僕の前で拳を振り飾した。
( …冗談じゃない!!こっちだってやりたくてやったわけじゃない!!巻き込まれたんだ!!嫌だ!!!!!)
僕は目一杯逃げようとした。
「逃げんなやしばくぞゴラアアアアアアアアアアア!!!」
と言われ耳を引っ張られた。
ブチィッ!!!!
「いぎぃああああああぁぁああ!!!」
耳が千切れた。
先生は怒りの反動で耳を湖に捨ててしまった。肉片に小魚が集って来た。
その地点で林間学習は中止となった。
その後先生は謹慎一ヶ月となったが、僕はショックで二度と家から出なくなった。
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。