小田川クソ小説 第14話 「化物」
駅のフライヤーで見たアートギャラリーに行くと、架空の街並みを作り、ジオラマで表現する女性アーティスト、tomokoさんに出会った。
彼女は架空のリアルな街並みを忠実に再現し、多くの人だかりが出来ていた。僕は可愛らしい彼女に速攻話に行った。気持ちよくなって9時間も話し込んだ。僕は満足して帰った。
家に帰ると、tomokoさんがどうしたらもっと売れるかと考えた結果、僕がARで動かすラジコン。”マリオカートホーム”を操作して、ジオラマをもっと盛り上げてあげる事にした。
来月、京都のアートギャラリーでまた出店するらしいので、僕はスターでCPUをボコボコにしながら運転テクニックを極めました。
そして当日、30組も参加するイベントに赴きました。僕は入場を済ませると真っ先に奥のブースに行き、tomokoさんのブースに行きました。
「おはようございます!!遊びに来ました!!」
僕は大声で挨拶をしましたが、tomokoさんは他の人と挨拶をしていたので少しそっけなかった。僕は順番待ちをしないといけないと思ったので、話している人の真後ろに立ち、順番を待った。
僕は早く話したかったので、足をトントンするとその人は離れました。
ようやく離れたので早速準備に取り掛かった。「ちょっと待ってよ」とtomokoさんは言っていたが、マリオカートホームの事は僕の方がよく知っているのでせっせこ作業を進めました。
彼女のジオラマにゲートを置き、ようやくレースの準備が出来た。
「勝手な事しないで!今すぐ片付けてちょうだい!」
tomokoさんは僕に言いましたが、作品を良くする事に妥協をするのは間違いだと思ったので、無視してグランプリモードを選んだ。コースは勿論レインボーロードで決まりだ。
「tomokoさんもやりますか?」
「……」
tomokoさんは何も言わずにバックヤードに去っていった。きっと立ちっぱなしで疲れたのだろう。
「おぉ、tomokoさんの今年の展示はえらい賑やかやなぁ!」
隣で展示していたお兄さんが僕の方に来た。褒めて貰えて嬉しかった。所々カートをぶつけて壊れてしまった所もあるが、彼女がまた修復してくれるだろう。
「よーし!次はマリオカップだ!」
「何をしているんだお前!!!!」
後ろから急に怒鳴られた。何が起きているのか分からなかった。
「管理人だ。アーティストへの過剰なコミュニケーションは控えて頂きたい」
は??何を言っているのだろうか??僕は意味が分からなかったのでゲームの続きをした。
「おい!!!今すぐ手を止めろ!!!」
肩を掴んできたが、うっとうしかったので振り払った。あまりにもしつこかったので操作をミスって作品が大破してしまった。
「あぁ……!どうしてくれるんです……」
ガシィ!!
「オイ」
鬼の形相で胸ぐらを掴まれた。会場全員がこちらを見ている。
「身勝手な行為でイベント滅茶苦茶にせんとってくれるか?」
「えっ......?それはあなたの偏見じゃ……」
「オイ!!!!!!!!」
ガシャン!!!!!
後ろのロッカーに身体を押し付けられた。
「最近君みたいなアーティストストーカーみたいなやつが増えてるんや。今すぐその荷物纏めて帰ってくれへんか?」
「は??ストーカー??勝手に決めつけない下さ」
「オイゴラァ!!!!??!!」」
ガッシャアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
ロッカーが圧縮された。
「帰れ」
……
帰り道、Twitterを確認するとtomokoさんにTwitterとFacebookがブロックされていました。
「クソが……あの女……」
よくよく考えたらあの女の作品に良いところなんて一つもなかった。恩の字も感じる事も出来ない下劣な女だと思った。
あまりにもイライラしたので通りのラーメン屋に入った。
「おおら!!チャーシューメン大盛、チャーハン餃子セットじゃああああああああ!!」
僕は大声で叫んだ。ラーメン屋の店員はびっくりしていた。
「あぅああぅああぅあああああああ!!!!!」
僕は叫びながらベチャベチャ頬張った。
「白ご飯大盛もじゃあああああああああああ!!!!!」
白ご飯大盛を掻き込んだ時、ピキーンと重い片頭痛を感じた。あまりにも痛すぎて大声で泣いてしまった。
「痛い……痛いよおおおおぉ……痛い痛い痛い痛いよおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
「……お前出ていけやおらぁあぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
ラーメン屋の店員に追い出された。僕は腹が立ったので「死ねぇぇぇぇぇえええええええ!!!」と叫んだが「黙れ!!」と返ってきて泣いた。
冬の寒さに片頭痛、「お母さん……お母さん」とわんわん泣きながら家に帰りました。