どうしたらみんながハッピーなRECORD STORE DAYになるのか #rsd #rsdjapan
今年もRECORD STORE DAYがやってきました。年々ギスギス感が増していると思っているのは私だけではないでしょう。
そもそもレコードストアデイとは何なのか。 (公式サイトより引用)
------------------------------------------------------------------------
RECORD STORE DAYは、その名の通りレコードストアの文化を祝い、宣伝し、独立した小売店舗を活性化し、フィジカルメディアを手にするよろこびや音楽の楽しさを共有する、年に一度の祭典です。
2008年4月19日にキックオフし、以降、毎年4月の第3土曜日に開催されており、現在ではアメリカをはじめ世界23カ国で数百を数えるレコードショップが参加を表明しています。数多くのアーティストが一体となり、貴重なRSD限定盤のアナログレコードやグッズなどのリリースを行っているほか、世界各地で様々なイベントが開催されています。RSD限定盤については(日本においては発売日より一週間)ネット販売を制約する規定があり、またRSD参加店舗として加盟するには、主に限定盤取り扱いに関する規約を守っていただく、などの約束ごとがあります。ネット販売や音楽配信が盛んになり、誰もが簡便に音源に触れることのできるようになった昨今にあって、スリリングともいえるこうしたアクティビティを通してRecord Store Day は人気を集めてきました。
12年目となる2019年4月13日も、設立時と変わらぬスタンスでRSDは音楽、そしてレコードショップを祝していきます。
------------------------------------------------------------------------
ちなみに日本の公式サイトはレコードプレス工場の東洋化成が運営しています。(それが良くない気もしますが)
結論から言うと「独立した小売店舗を活性化し」という部分のバランスが非常に悪いのが現状です。
人気のあるタイトルは大手レコードショップへ入荷枚数が集中し、小売店には数枚、もしくはそもそも入荷しないと言う状況です。そのことにより、本来の趣旨からずれて結果的に東洋化成と大手のレコードショップが一番潤うイベントになっている事に各方面から不満が上がっています。特にレコードへの愛情が強ければ強いほど不満が強くなる傾向があります。
独立した小売店舗の俺の言い分2019
普段からレコードをプレスしてリリースしているアーティストの俺の言い分2019
お店側の意見
一番心が温まったツイート
こういう本音を包み隠さず言う事は大事ですね。大人になるといろいろな事に気を遣い、なかなか本音が言えない事に加え、万が一曲解されて炎上してしまえば失う事も多いので。そういったリスクがありながらもストレートに当事者の方達がストレートに発信する事は重要な事だと思います。
批判は期待の裏返しでもあり、単なる批判ではなくレコードに人一倍愛情があるからこそ、思い描いているベストなRECORD STORE DAYがあるはずです。私も自分のレーベルと海外のレーベルからほぼ毎年レコードをこれまで計14枚リリースしてきたのですが、レコードを買う立場として現状のRECORD STORE DAYはあまり良いとは思ってません。
ただし、ストリーミングが主流になる中で一人でも多くの人がレコードに興味を持ってもらえるキッカケになるはずのRECORD STORE DAYなので、時間をかけて良い方向へ向かって行けばと思ってます。
本音を言うと誰か権威ある人が動けば良いのですが、東洋化成や大手レコードショップと対立したくないですよね。特に立場がある人はいろいろな人の顔を立てないといけないので、みんなダンマリという感じです。決して文句を言って欲しい訳ではなく、うまく不満を吸い上げて、少しずつでも良い落としどころを見てけて欲しいなとは思ったりします。あの人がああ言うならしょうがないかみたいな。
と言う事で特にしがらみもなく、人並み以上にはレコードをリリースした経験のある私が現状の問題点をまとめて、RECORD STORE DAYがどうしたら良くなっていくのかを考えました。
現状の問題点
私が思いつく大きな問題点は3つあります。
もっとクリティカルな問題点があれば教えてください。
- 独立した小売店舗への入荷が少ない
- 限定盤と称して価格を乗せてくる
- 人気盤が需要を無視したプレス枚数なので転売屋が暗躍する
独立した小売店舗への入荷が少ない
ここを正すだけでも随分空気が変わると思ってます。
レーベルとしては沢山の枚数を一度にオーダーしてくれる店舗を優遇したくなるのは当然ですよね。発送も楽だし販売力もあるので。ただし、RECORD STORE DAYの趣旨とは反するので、もう少し歩み寄ってくれても良いと思います。
店舗側もRECORD STORE DAYの趣旨が「独立した小売店舗を活性化」だから、小売店にもっと流してね!と言いたくなる気持ちはわかります。なので、オーダーした枚数を確実に売り切るためにも、いつも以上にお店に集客する努力は必要だと思います。これだけの事をやってこんだけ集客するから、この枚数を卸して!というのがあっても良いと思いました。
接点のあるアーティスト呼んでライブとかDJとかがわかりやすいですが、なんかもっとお店にあるレコードを適当にかけながら買い付け秘話的なトークショーだと人的コストもかからないので良いと思いました。買い付けの時の写真を交えたスライドショーとか見たいですね。こんな危険な場所で命からがら買ったのがこの盤なんですと聞けば、それなら俺が買うしかないみたいな有志が出てくるはずです。
人気盤に頼らず、お店側もイベントを盛り上げる姿勢があると、あの店ハンパないとなって卸す側の姿勢も変わるでしょう。
また各レーベルがどの店舗に何枚卸したかを公開するのも良いと思います。透明性はほとんどの不満を吸い上げます。
コストはかかりますが、プロレスのタイトルマッチのように、RECORD STORE DAY当日までの煽りPVとて、小売店vs大手レコードショップの卸し枚数プレゼン対決とかあっても面白そうです。小売店の人が大手レコードショップの店員をレア盤で買収して、プレゼン当日に大手レコードショップの店員の一人が寝返って味方に毒霧吹くとこ見たいです。
限定盤と称して価格を乗せてくる
個人的にはこれが一番不満です。趣旨にもある「フィジカルメディアを手にするよろこびや音楽の楽しさを共有する」と真逆のベクトルに向かってますね。私ですら単価を落とすために500枚数プレスして、500枚どうやって売り切るか、500枚売れるクオリティまで作り込むかを考えてます。
業界全体を盛り上げるにはビギナーをもっと集める必要があると思ってます。にも関わらず、7インチ2曲収録で2,000円!?1曲にすると1,000円!?というのはあまりにもビギナー泣かせではないでしょうか。レーベルの人達の心にダムはないのでしょうか。
結局ビギナーではなく、私を含めたレコードおぢさんが搾取される形で割高な限定盤を買ってしまう事になります。悔しいですね、買わない事で「高すぎるぞ!」と主張したいんですが、中途半端にお金があると好きな曲が入った盤は高くてもつい買ってしまいます。レーベル憎しも曲は憎まず。
そこで、レコードなんて原価高くてほとんど儲からないから、大手のレーベルにはプロモーション費用でプレスしてもらい、安価で販売してください。裏面が全面レッドブルの広告でもオッケーです。高須クリニックでもアパカレーの広告でも何でもいいです。私からの切実なお願いです。
人気盤が需要を無視したプレス枚数なので転売屋が暗躍する
転売屋が出現し増えてきていると言う事は活気が出てきている証拠です。暗黒期は抜け出せたとポジティブに受け止めましょう。ただし転売屋は許せないので、見つけたら即ヘッドショットしましょう。
この対策はさほど難しくなく、レーベル側が需要に合わせた枚数をプレスすればいいだけです。プレス枚数が増えれば単価も下がるので全員幸せですね。即完売とかオークションで高値とか何の意味もないので。
我々はSupremeの服を買いたい訳ではありません。アーティストが作った大切な曲を重くてかさばるレコードで買いたいだけなので、変なブランディングはやめてもらえると助かります。
最後に
レコード店関係者の方、ツイートを拝借しております。削除の必要がございましたら、大変お手数ですがTwitterでもInstagramでも何かしらの手段でご一報いただけると幸いです。
また2時間で書き上げたので、間違いや不備などお気付きの点ありましたら教えてください。
レコードが大好きな人にとって独立した小売店舗はとても大切な場所です。実店舗は固定費も人件費もかかるので本当に大変だと思います。独立した小売店舗がより活気を増し、より素晴らしいレコードが入荷されるためにも、またレコードに興味を持つ人が一人でも増えるように、各方面が協力してRECORD STORE DAYがより良い形で発展していく事を切に願います。