予備自衛官系女子大生が普通車免許を取得していた話。
はじめに
夏休みということで、東北まで合宿免許に行っていた。(普通車AT)
首都圏から東北である。新幹線を使ったとはいえ、遠かった。
しかも、普段は東北に台風は来ない(指導員曰く)のに、なぜか私が東北にいる間に1回だけ台風が来た。
どうやら台風に好かれているらしい。
合宿免許に参加するまで
「18になったら運転免許を取得したい」というのは高校3年のときから漠然と抱いていた欲望だった。
車を運転して、ひとりで旅がしたいと思っていた。
受験も終わり高校を卒業して大学に入学して少したってから、車でひとり旅をするという漠然とした夢をかなえるため、大学生協に向かった。
私の通う大学には、生協という組織が存在し、教科書販売や学食運営などを行っており、運転免許取得のための教習所の予約も行っている。
生協の職員から合宿免許の受け入れをやっている教習所のパンフレットをほぼ全部もらい、一度家に持ち帰って両親と検討をした。
正直どこも同じに見えた。
が、せめていくのならば近いところではなく、遠いところに行こうと思い、東北地方の教習所に行くことだけは決めた。
いろいろなパンフレットを読み漁り、「絶対に眠くならない」ことをウリにしている教習所を見つけたため、そこに決めた。
ホテルプランなど選べたが、教習所内の宿泊所に相部屋で宿泊することになった。
合宿免許にひとりでいった話。
前の記事でも軽く言及したが、私には深い付き合いをするような友人はいない。高校までの友人とも、大学に入学してからなんとなく疎遠になってしまった。だから、ひとりで合宿免許に行った。
教習所に到着してみると驚いた。
教習生たちはひとつの学科教室に集められて入校説明を受けたのだが、私以外の人たちはほとんど友人同士できていた。
「帰りたい」と切実に思った。
しかし、そうはいってもお金は払ってしまっているし、入校してしまっているしで帰るわけにもいかない。
あきらめて14日間の教習を延泊ナシで終わらせることが目標だった。
その目標は2日目にしてあっけなく散ることになる。
延泊になってしまったのだ。2日目で。
仮免に落ちたとかじゃなくて。
右左折がへたくそすぎて技能教習に合格できなかった。
左折でとにかく脱輪した。右折も中央線を越えてしまった。
指導員からはため息が漏れた。
運転免許取得の際の技能教習は1日に受けられる数が決まっている。
1段階ならば1日2回までである。(2段階なら1日3回まで乗れる)
そして、合宿免許のスケジュールは基本最短日数で卒業できるように組まれている。つまり、1段階なら2回車に乗るのをだいたい1週間くらいやる。
みっちみちのスケジュールで技能を落として、その時点で1日延泊が確定した。
※右左折がへたくそすぎて結局3回右左折についての教習を受けた。
普通の人なら1回でクリアできるところで、である。
延泊が決まってから、相部屋の子と顔を合わせるのがきつくなった。
私が右左折で躓いていた間、彼女はどんどんと前に進んで予定通りに卒業するのだろうか。
そんなことを考えてずっと泣いた。情けないことに泣いていた。
延泊のショックをずるずる引きずったまま、仮免の日になった。
どうせ私一人だけなんだろう。そう思いながら指定された教室に向かったらもうひとりだけ教室にいた。
どうやら通学生のようだった。
たったひとりで仮免を受けるのも精神的にきつかったので正直救われた。
仮免の技能を受けたのはふたりだけだった。
学科になって前日の仮免に不合格だったふたりが合流して、4人で試験を受けた。
ひとりだけ落ちて私を含んだあとの3人は合格し、2段階へ進んだ。
2段階では教習生複数人で受ける教習があるが、その際の固定メンバーみたいにもなった。
※仮免学科試験に3回落ちると一時帰宅になり、地元の免許センターで仮免許を取得することになる。仮免取得後はまた教習所に戻ってきて1週間教習を受けることになるらしい。
仮免はなんとか一発で突破したが、結局延泊は変わらない。
そう思いながら2段階の効果測定の勉強をしていると、教習所の受付の職員が話しかけてきた。
2段階の最後のほうの教習を詰めて、卒業検定を1日前に早めないか、という話だった。
喜んで卒業検定を1日早めてもらった。
しかし、1日延泊が決まったので新幹線の切符も1日後ろに倒していたので、「取り直しか.….…」と憂鬱にもなった。
しかし、実家に早く帰れるほうが嬉しかったので、卒検にちゃんと合格できるように努力を続けた。
それも手伝ったのか、卒業検定も合格し、無事に本来の予定通りの日に東京へ帰った。
学科試験まで
さて。合宿免許では最短の14日で運転免許を取得できると思われているかもしれないがそれは違う。
合宿免許で取得できるのは仮免までだ。
最終的な運転免許はそれぞれの住所のある都道府県内の免許センターで交付される。
私の住んでいるところではオンライン上で予約を取る必要があったため、東京へ戻ったその日に直近の学科試験を予約した。
ぶっちゃけ、効果測定をパスしていれば余裕で合格できる。
そうわかっていながらも不安だったので、試験前日と当日の午前中は学科教本とムサシを周回した。
免許センターまで何回も往復するのがなによりも面倒だったからである。
免許センターまで何回も行くのが嫌だったから必死に勉強したおかげか、免許試験も合格した。
免許センターにいる時間よりも移動時間のほうが長く感じた。
合宿免許にあったら便利なもの
人によってそれぞれ意見が出ると思うが、とりあえず列挙してみる。
・服(多めに)
・洗濯ネット
・ジェルボール
・小銭
・延長ケーブル
・イヤホン
・モバイルバッテリー
・ゲーム機などの娯楽
服。これは多めに持っていったほうがいい……と思う。
というのも、基本洗濯は教習の合間で行うことになるが、私の場合2段階で教習がギチギチになってしまい、3日分の洗濯をする時間が取れそうになくて1日分の洗濯のためだけに300円ほど浪費したことがあるからである。
私は3日に1回で洗濯を回していたが、ぶっちゃけ面倒くさかったので
(特に仮免前)一気に5日分とかできるようにしたほうがいいかもしれない。洗濯ネットは下着洗うのに下着入れとくために女性の方は必要である。
ジェルボールはまああの、液体洗剤計量するのが面倒だからである。
また、洗濯機乾燥機が有料の場合がある。その場合、小銭を多く使うことになるので小銭とくに100円玉は多めに用意したほうが良い。
延長ケーブルは、合宿免許の寮にコンセントをさすところはあるがベッドなどから離れていたり、数が少ない場合があるからである。
持ってこなくて本当に後悔した。
部屋にいるときに動画や配信を見るときにイヤホンは必須になる。
同室の人には最大限配慮するべき。
仮免前にちょうど東北地方に台風が来ていて、そのときはずっと教習所の建物にこもって仮免の勉強をしていた。
そんなときに助かったのはモバイルバッテリーだった。
ムサシというアプリケーションのようなものを使って勉強していたので、とにかくスマホの充電の減少が痛かったのである。
2段階の効果測定が終わると少し余裕が出る。
余裕が出ると時間ができるためにヒマになる。
ゲーム機や小説などといった暇がつぶせそうなものを持って行っておくといい。夜は本当にひまだったので。
おわりに
私個人としては合宿免許はお勧めしていない。
逃げ場がないからである。
近くに観光地などもあることが多いし、教習の合間の時間で観光に行って息抜きをすること自体は可能である。
しかし、その観光地がおおよそ近いとは言えないのである。
公共交通機関を使っていくしかない。
しかし、公共交通機関もそう便数が多いわけではない。
観光に行くのが億劫というか、行っても帰ってこられる気がしなくて基本ずっと教習所にいた。
とはいえ、通学での免許取得だと教習を受けるのも早いもの順?になると聞く。合宿免許ならばあらかじめ教習の時間が組み込まれたスケジュール表を渡されるので楽ではある。
また、合宿免許にひとりで参加することはメンタルが弱い自覚のある方にはお勧めできない。励ましあえるような人がいないのはなかなかしんどい。
もちろん、セット教習とかで一緒になった人と仲良くはなる。
仲良くはなるがセット教習があるのは2段階だ。
最初の1週間ひとりで過ごせはなかなか無理がある。
簡単にはやく免許取得を目指せるのが合宿免許の大きな利点であると同時に逃げ場がどこにもなく、一度しんどくなるとしばらく続きやすい、というデメリットがあると個人的には感じた。