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翔子はアイランドホッピングツアーにフィリピン人の友だち3人と参加していた。

そのツアーは朝ボートに乗って、お昼はボートのクルーがボートの上で料理して準備をしてくれ、昼食後にアイランドホッピングを継続して夕方に本島に戻ってくるものだった。参加者は17人。
全員接しやすく良い人たちだった。

その中に3人中国人がいた。うち1人の男性は日本語と英語も堪能だったから彼は翔子とも翔子の友だちとも問題無く話せた。彼の友だちカップルは中国語以外話せなかった。
とても明るくて素敵な2人だったが他のツアー参加者とも話すことはできなかった。
ただ、とても社交的な2人だったからボディランゲージや表情で他の人たちともコミュニケーションを取っていた。

翔子の友だち3人はタガログ語で話すことが多く、翔子はタガログ語が分からないので中国人参加者たちと時間を過ごすことが多くなり仲良くなった。
お互い話しても意思疎通はできなかったが、筆談だと意思疎通ができるので、主にスマホのメッセージ画面を開き、そこでそれぞれの言語を書くというコミュニケーション方法を取った。少しでも意味が通じるように、翔子はなるべく沢山の漢字を使った。どうしても分からない時は日本語が堪能な彼に助けてもらったが、ほぼ彼の助け無しに意思疎通が図れた。

今は通訳アプリ等もあるが、そういう不便さも楽しかったなぁと翔子は思う。
推理ゲー厶みたいで楽しかった。

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