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レコード鑑賞、はじめました

 私は音楽に関してはそれほど知識などがなく、音楽を視聴する時も「まあ聞き苦しくなく聞ければいいや」くらいで音質などに関する拘りは特に無い。
 ZARDに関しては150曲ほどスマホに入れて持ち歩いたりカーステレオで聞いたりしているが、エンコードもWMAとMP3がまぜこぜだったりした。
(この間重い腰を上げてとりあえずMP3に統一した)

 さて、最近巷ではレトロブームというか、80年代のLong Long ago,20th Centuryに想いを馳せる文化が一周してきたのか俄に人気が出ているらしい。
 いい例を挙げればフィルムカメラだ。PENTAXとかいうちょっと頭のネジが外れた人たちがハーフフィルムカメラを新発売したら一瞬で完売してしまい、事前予約をしていた人たちに行き渡らない一時期のドリームキャストのような状態になっている。
 私も勿論欲しいのだがたまたま出費が多い時期なのと、まああの会社なら待ってたらシルバーエディション出すんじゃねえかなと睨んでいるのでとりあえずビッグウェーブには乗らなかった。

 閑話休題。

 まあそういうレトロ文化の流れで、レコードが少し前から人気があるのはちゃんと知っていた。と、いうか何枚か買っていた。
 私はアリスが好きなのでアリスのLPと、特撮の主題歌(レッツゴー!ライダーキックなど)、あとドヴォルザークなんかを数枚。
 妹がレコードプレイヤーを購入していたので、暇な時についでに聞いていた、という程度。

 ところが最近ハードオフなどを中心に、結構良い状態の中古レコードが安く売られていたりする。ついつい保護しているうちになんとなく自分用のレコードプレイヤーが欲しくなってきてしまった。聴きたい時一々妹にせがむのも何だし。そんなわけで比較的安く手に入るレコードプレイヤーないかなあとちょこちょこ探していた。
 ちなみに私は世代的にも、物心がついた頃にはレコードプレイヤーを含むパイオニアかなんかのシステムコンポが家にあったのだが、ターンテーブルの上でウルトラマンと怪獣の戦い遊びをしていたせいか気がついたら壊れて動かなくなってしまっていた。
 従ってオーディオ関係の知識はほぼ、というかゼロである。

 で、たまたま立ち寄ったハードオフで丁度よいものを見かけたのでついつい購入してしまった。


 TRIO P-9F。1984年頃の製品だ。
 3ヶ月の動作保証が付いてたからまあ動かなかったら返しにくればいいや、という軽い気持ちで買ってみた。脅威の5000円。
 ちなみにTRIOというのは現在のKENWOODの前身。たまたまカーナビやドラレコが全てKENWOOD揃い(スバル車に乗っているのだがスバルはKENWOODと関係が深いらしい)であり、妙な縁も感じる。



あれっ?音が出なーーい!


 さて、一緒に買った仮面ライダー(新)の主題歌レコードをセット!
 そのへんに転がっていたパソコン用のアンプに繋いで音を鳴らしてみる。

 飛べ飛べ〜♪高く〜♪空をゆけ〜♪

 お、おお!音が出た!出たんだけど、なんだかボリューム小さいな!!

 ここで無知を露呈する私。妹が買ったレコードプレイヤーは近年発売のものであるため、スピーカーなどがビルトインされている。
 古い時代のターンテーブルはよく見る赤と白のケーブルでも、「フォノ」と呼ばれる端子で出力している。このフォノ端子から出ている信号を「フォノイコライザ」というもので復元しないと満足な音源にならないのだ!
 ああ、昔のアンプにあった「PHONO」ってこれだったのか……「PHONE」と勘違いしててマイク挿すとこだと思ってたわ。
 そこら辺に転がっていたアンプは勿論最近の安物であるため、フォノ入力端子が付いているはずがない。

どどどどどーすんの どーーすんの??



 なに、無いなら買えばいい。それが大人の特権だ

 慌てず騒がずアメリカ製の小型のフォノイコライザを購入。5000円くらいはしたがこれで音量を改善出来るってえ寸法よ。
 そしてセットアップし、鮎川麻弥のZ・刻をこえてのレコードをセットし、再生。


状態の割に物凄く安かった

 ズンチャッ♪ズンチャ♪ズンチャ♪ズンチャ♪ズンチャ♪ズンチャ♪テテレテレテテッ

 
 音が再生された時私は驚いて顎が外れるかと思った。めちゃくちゃ音がいいじゃん!!!!
 
CDで視聴するのと違って、音に奥行きがあるような……?無論私はそれほどいい耳を持っているわけではないし、プラシーボと言われればそうなのかもしれないが……
 物にも依るがCDより遥かに安価で手に入るものもある。一例を挙げるとアリスのオリジナルLPは100円~1500円ほどのが一番多い。

 こうしてレコード蒐集の終わりなき旅が始まることとなった。


とまらない…… とまらへん……


 こうして集めてみたレコードのいくつかを紹介してみる。


 Winkの「愛が止まらない」。有名どころの代表曲の割に「レコードを」探すと中々見つからない。
 と、言うのも活動期間が丁度レコードからCDへ移り変わるタイミングだったためプレス数がそんなに多くないようなのだ。これも少しプレミアが付いてしまっていた。
 友人にアイドルマスターのシンデレラガールズを勧められ、明らかにWinkをモチーフとしたキャラソンが出てきた上に担当になってしまったので元ネタと揃えたくなったのが購入理由。


 1973年の特撮・スーパーロボットレッドバロンの後期主題歌。

 まずレッドバロンそのものが名作な上、前期後期共に曲が秀逸すぎる。ストリングスがぎゅわんぎゅわん泣いてるぜ!
 特にこの後期主題歌はTV放映バージョンと同様のシングル・カットバージョンとアルバム収録バージョンがあるのだが、後年の音源は殆どアルバムバージョンとなる。
 近年Blu-rayBOXの初回限定特典としてTVカットバージョンがようやく発売されたが、シングル盤を買えば簡単に視聴出来るというな。
 シングル盤自体そんなに出回ってはいないけれどまだ手に負える。


 私の大好きな「電脳警察サイバーコップ」のOPとED。この2枚は探したらたまたま2枚とも「見本盤」という物が手に入った。


「見本盤」というものは、実際にレコードが発売される前にラジオ局や店頭などに貸与配布されるプロモーション用のもので、当然商品として流通する前にプレスされるため、理屈上印刷の状態が極めて良い。
 何となくではあるが見本盤は溝が消耗していないためか、音が綺麗なことに加えて若干音量が大きいような気がする。


 同じ作品の挿入歌に使われたもの。

 これも見本盤なのだが、これはもう少し事情が違う。プロモオンリー盤といい、プロモーションで配布されたレコードとなるのだがこのレコードは実際には発売されなかった。
 先述のWinkとほぼ同時期のリリースなのだが、やはり丁度レコードからCDに移行するタイミングだったため、実際の商品は8cmCDでリリースされたのだ。
 従ってこの曲のレコード版は未発売の試供品しかないものである。


 この無愛想な業務用っぽいラベルが逆にカッコいいよね。
 これも狙ったものではなく探したらこれしかなかった。まあレコード版は必然的にそうなるのだが。


 他にもハードオフでガサり続けてアリスのLPはあと3枚でコンプリートとか意味不明なことをしているが、要するに音が物凄くよいのだ。クラシックなんか流すと目の前にオーケストラがいるんじゃないかな?くらい。
 また、飛べ!宇宙のレッドバロンのようにレコードでしか手に入れづらい音源もあるし。

これもすっごくいいんですけどっ!


 フォノイコライザから出した赤白の端子を変換させてパソコンのLINE入力に繋ぎ、フリーソフトを使うことでこれらのMP3化も出来る。




 しかしこの方式は結構手間が掛かっていた。
 フォノイコライザからの出力が一系統しかないので、録音する時と再生する時でそれぞれ接続を差し替え、曲にノイズが入るか入らないかは取り込み後に再生して確認・調整。
 収録曲の多いLPなんかとてもじゃないけど取り込むのが面倒くさくて面倒くさくて……

 そこで。



 たまたま別のハードオフでTRIO製のプリメインアンプが売っていたのでこれを追加購入した。


 TRIOのプレイヤーにはTRIOのアンプを合わせるべきだろ普通。
 発売時期も3年ほどしかズレていないため見事マッチする組み合わせだ。ついでにスピーカーも安いのを買った。


 これは残念ながらTRIO製のスピーカーの出物が無かった為、100歩譲ってKENWOOD製のものにしておいた。

 アンプを買い替えたため、再生と録音二つの出力が扱えるようになり随分と録音が楽になった。聴きながら作業出来るので曲の切れ目で一時停止して加工・変換作業すれば良いだけだからだ。


も゛ーりもりっと やーるき出てきた


 こうして設備が整ってくるとどんどん欲が出てくる。なにせプリメインアンプにはまだカセットデッキとAM/FMチューナーを取り付ける余地があるし、スピーカーもTRIO製の方が自然である。
 ただ一気に出物を探すのも一苦労なので、取りあえずこれで手持ちのレコードを楽しんでいる。

 レコードの再生はぶっちゃけ手間と、あと消耗品関連が軒並み高いので(フィルムカメラほどではないけど……)お金もかなり掛かる。
 財布はすっからかんかんカラッとキャロットだ。

 ただ、レコード・フィルムカメラ・万年筆もそうなのだが、

 「面倒くさいは楽しい」んだよなあ。



 kaz




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