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【問い掛けが大切】相手に行動を起こさせるには。。。
私は13年間スウェーデンでの仕事と子育てを通じて、若者や部下とのコミュニケーションにおける重要な手法を学びましたので紹介します。
息子が10歳の時に、スウェーデンのTorsåsという小さな町に引っ越しました。
日本人学校や補習校はなく、現地の小学校に通うことになりました。
息子からその学校で起こった出来事を聞いた時、とても驚きました。
その頃は、スウェーデンでも”たまごっち”が流行っていたのですが、授業中にある女の子が”たまごっち”をやっていたところを、先生に見つかってしまったのです。
その時の先生の対応が、まさに目から鱗でした。
もし日本で同じようなことが起きたら、先生はたぶん何も言わずにそれを取り上げるでしょう。
しかし、スウェーデンの先生はその女の子に「何をしているの?」と尋ねたそうです。
その女の子は、
「これはたまごっちと言って、中で生き物がいます。
今、私が餌をあげないと死んでしまいます。」
と答えたそうです。
すると先生は、
「わかりました。餌を与えた後で授業に戻りましょう」
と答えたそうです。
子供から意見を聞かずに物を無条件で取り上げると、子供はなぜそれが取り上げられたのか理解できないかもしれませんし、自分の考えを表現する機会を失ってしまいます。
現在、複数の学校で教鞭を執っていますが、自分の意見を述べられない学生が増加していると感じています。
ひょっとしたら、これが原因かもしれません。
帰国後の仕事で、私はこのことを意識しながら部下とのコミュニケーションを取るよう努めていました。
例えば、店舗でお客様がいるにもかかわらず接客をしない従業員に対して、「接客してください」と言うのではなく、「なぜ接客しないのですか?」と尋ねるということです。
現代の日本人は、自分の意見を述べることに躊躇していると感じられます。
民主主義の根幹をなす「自らが主権者である」という認識を見失っているのではないでしょうか。
このような状況は、幼い頃から自分の意見を言うことを許されない大人たちや社会の影響が原因だと思わざるを得ません。