野鳥観察の必需品:双眼鏡の選び方と私のおすすめ
双眼鏡は野鳥観察に欠かせない道具です。これまでに様々な双眼鏡を購入してきましたが、現在はポケット双眼鏡、30mm径の双眼鏡、防振双眼鏡の3つを使い分けています。特に、海鳥観察用に購入した防振双眼鏡がメインの双眼鏡になりつつあります。今回は、一般的な双眼鏡の選び方と私が保有している双眼鏡の使い分けについて詳しく紹介します。
野鳥観察における双眼鏡の一般的な選び方
1. 倍率と対物レンズ径:
• 倍率:8倍から10倍がおすすめです。倍率が高すぎると手ぶれが大きくなり、低すぎると観察対象が小さく見えます。
• 対物レンズ径:32mmから42mmが一般的です。対物レンズ径が大きいほど明るく、より多くの光を取り込むことができます。
2. 視野角:
• 視野が広いほど、動き回る野鳥を見つけやすくなります。広角の視野を提供する双眼鏡を選ぶのがおすすめです。
3. 明るさと解像度:
• コーティングされたレンズが明るさと解像度を向上させます。フルマルチコートレンズは最良の選択です。
4. 重量とサイズ:
• 長時間の野鳥観察では軽量でコンパクトな双眼鏡が便利です。首にかけたり、手で持ったりする時間が長い場合、重い双眼鏡は疲れやすくなります。
5. 防水性能と耐久性:
• 野外での使用を考慮すると、防水性能と耐久性は重要です。防水双眼鏡は雨や湿気に強く、長持ちします。
6. アイレリーフ:
• 眼鏡をかけている場合、アイレリーフが長いもの(15mm以上)を選ぶと、眼鏡をかけたままでも快適に観察できます。
私の双眼鏡の使い分け
• ポケット双眼鏡(7倍):
普段持ち歩き用や、LCCでの探鳥旅行など、荷物を極限まで減らしたい時に使います。軽量でコンパクトなため、常に持ち歩くことができ、いつでも観察が可能です。
• 30mm径の双眼鏡(8倍):
主に観察メインや写真撮影時に使用します。ポケット双眼鏡では物足りない時に利用しており、非常に鮮明な視界が楽しめるため、写真や動画を撮らなくても十分に満足できます。
• 防振双眼鏡:
現在メインで使用しているのは、Vixen ATERA II H14×42WPです。防振機能により、揺れずに安定した視界が得られるため、非常に快適です。特に遠くの鳥や小さい鳥の識別が容易になり、コンサートや推し活の際にも、片手に双眼鏡、片手にペンライトや推しグッズを持つことができ、揺れずに推しをしっかり見ることができます。
防振双眼鏡がメインになりつつある理由
防振双眼鏡のメリットは、揺れない視界で観察できることです。これにより、手ぶれを気にせずに観察ができ、特に遠くの鳥や小さい鳥の識別が楽になります。強力な防振機構と片指だけで動かすことのできるピントリングのおかげで、雨の日は片手に傘を持ちながらの観察もできます。
また、そのためコンサートや推し活の際には、片手に双眼鏡、片手にペンライトやグッズを持つことができ、揺れずに楽しむことができます。このメリットがメインの双眼鏡になった理由です。揺れない視界はとても快適です。
しかし、防振双眼鏡にはデメリットもあります。飛翔中の鳥を追いかける最中は、防振機能が働くことで動きがカクカクする感じになります。また、多くの防振双眼鏡は倍率が高く、所有している14倍では森の中では視野が狭すぎて使いにくいことがあります。さらに、EDレンズが使われていないため、色収差が目立つシーンが多くあります。
最新防振双眼鏡の紹介とそのおこぼれ話
防振双眼鏡の構造上、動きがカクカクするのは仕方がないのですが、シーンによっては色収差が目立つのは残念です。しかし、今年、ビクセンとサイトロンからEDレンズを採用した防振双眼鏡が遂に登場するとのことです。EDレンズを採用されることで見え味の改善が期待されます。CP+で参考出品されていたモデルを紹介します。
• ビクセン ATERA II ED H16×50WP
公式ページ
2024年8月20日追記 ついに発売が決定しました。防水性能が向上しています!
• サイトロン SII BL 1450 ED STABILIZER, SII BL 1850 ED STABILIZER
ホビーズワールドさんの取材記事
昨年のジャパンバードフェスティバルでは、ビクセンブースで ED H16×50WPの試作機が展示されており、短時間の確認ながら非常に良好な見え味と抜けの良さが印象的でした。重量もあり、左右にハンドストラップが付けられるようになっており、しっかりホールドできるような配慮が施されていました。
両メーカーとも50mm径のレンズを採用し、今年の夏の発売を目指しているそうです。描写力が向上するであろうEDレンズ搭載の防振双眼鏡。両メーカーの正式発表が待ち遠しいです。
24年9月19日追記
日本国内の取り扱いはありませんが、海外メーカーでED防振双眼鏡を見つけたので掲載
KITE OPTICS社のAPC STABILIZED 50がEDレンズ搭載の防振双眼鏡を発売しています。倍率口径は14×50、18×50。乾電池式とリチウムイオン電池内蔵USB-C充電式の合計4パターンを用意。デザインも幅広で良さげな印象を受けました。1kgもあるので、ビクセンより重たいですが。。。
24年12月21日追記
富士フイルムがEDレンズ採用の防振双眼鏡を開発発表しました。40mm径16倍と20倍です。テクノスタビTS-L 1640 / 2040と言うそうです。25年の年明けごろの発表を目指しているのこと。
まとめ
双眼鏡は野鳥観察の必需品です。自分に合った双眼鏡を選ぶことで、観察の楽しさが一層増します。防振双眼鏡の登場により、さらに快適な観察が可能になりました。下記のような図鑑を持ち、これからも新しい機材に注目しつつ、楽しい野鳥観察ライフを送りましょう。