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メーカー監修の色を守り抜く!色を損なわない画質向上法

 最近のRAW現像ソフトは細かい画像編集ができるほか、AIを活用し強力なノイズ低減やアップスケールなどができます。しかしながら、メーカーが作成した色のプロファイルが気に入っている場合、メーカー監修の色(例えば定評のある2社、富士フイルムのフイルムシミュレーション、パナソニックLUMIXのフォトスタイルとか)に当てはめることができません。今回は富士フイルムのX-H2、X-H2Sユーザーの私がメーカー監修の色を大きく損なうことなく編集する方法をお伝えします。アドビであればカラーマッチングでの色でOKという方は、全く参考にならないと思います。あくまでもカメラ内の色で画質を向上させたいという方向けの話になります。
 これから説明するのは、FUJIFILM Xシリーズで利用した場合の流れです。

1. X RAW StudioでRAW現像

 X RAW StudioはFujifilmユーザーにとって強力なRAW現像ツールです。カメラとPCを繋ぎ、カメラ内で現像処理を行うソフトです。PC上で富士フイルムが監修した色再現でRAW現像することができます。しかしながら、調整できる範囲はカメラ内の画質設定の項目のみとなっており、例えば露出を0.1EV刻みで編集といったことはできません。そのため、一部その他ソフトを活用し、完成させていきます。まずはRAWファイルをX RAW Studioに読み込み、以下の調整を行います。(LUMIXとかはカメラ内RAW現像になるのかな?)詳しい使い方はメーカーはホームページなどを参照ください。

フィルムシミュレーションの決定。
明るさの調整: 増減を行い全体の明るさを調整します。
トーンの調整: シャドウ/ハイライトトーン、明瞭度、(DR、Dレンジ優先の項目をAutoとかにしている人のみ)を調整して、写真の明暗バランスを整えます。
色味の調整: ホワイトバランスやカラー(彩度)、カラークロームエフェクトなどを調整し、写真の全体的な色味を決定します。
・高感度ノイズ低減:このあとノイズ低減ソフトを使う場合、高感度ノイズ低減機能は-4にしておき、ディテールが残るようにしておきます。

2. JPEGもしくはTIFF形式で書き出し

 調整が完了したら、編集内容を保持するためにJPEGもしくはTIFF形式でファイルをエクスポートします。TIFF形式であれば非圧縮のため、画質を損なうことなく次のステップに進むことができます。

3. トリミングや傾きの修正

 エクスポートした写真を必要であれば以下の修正を行います。この作業はX RAW Studioでもできますし、使い慣れた画像編集ソフト(例: Adobe Photoshop)でも構いません。
トリミング: 構図を整えるために不要な部分をカットします。
比率の変更:利用用途に応じて変更します。
傾きの修正: 傾きが気になる場合、水平ラインがまっすぐになるように写真の傾きを調整します。

4. ノイズを減らす

 私の場合はTopaz DeNoiseを使用して写真のノイズを低減します。現在はPhoto AI 3といソフトウエアになっています。ノイズリダクションは、特に高感度撮影時や暗い環境での撮影で重要です。これらのソフトはAIを活用したノイズ低減ソフトです。いろんなソフトあると思いますが、メーカー監修の色で行うが目的ですのでJpeg/TIFFのまま読み込み、書き出しできるソフトが良いでしょう。
 また現在リリースされているPhoto AI 3はアップスケールやシャープネス向上の機能を持っており、より良い機能が実装されています。また、ノイズ低減処理もTopaz DeNoiseより良くなっているようです。

4−1.adobeのAIノイズ処理との比較

 見ての通り、Adobe Camera Rawと比較すると、やはりRawデータから低減作業をおこなっている分、毛並みの解像感が残っています。メーカー監修の色再現にこだわらない場合は、このまま現像するのが良いかと思います。またDeNoiseAIで手動で調整したら、もう少し解像感をあげれるかもしれません。もしかしたら最新のPhoto AI 3であればより良くなるかもしれません。(約200USD。。。)

5.必要であればアップスケールを行う

 私はトリミングして5〜10MP程度しか画素数が残っていない場合、アップスケールを行うことが多いです。Photo AI 3をお持ちの場合はそのまま利用すれば良いかと思います。私は保有していないので、Canonのアップスケールソフトを年間サブスクをしています。(最近契約し、年間1,100円で済むのもありがたいです)。画素数が4倍になります。

Neural network Upscaling Toolでは、被写体からの光が撮影により画像になる過程を再現した技術を用いて、キヤノンが保有する様々な高解像度RAWデータから高解像度画像と低解像度画像との組み合わせを学習し、色/輝度/ノイズ感を変えることなく被写体本来が持つ精細感に迫る画像を生成することができます。

Canon:Neural network Upscaling Tool

 Canonのアップスケールソフトは生成AIではないようです。なので画像の信憑性にこだわる場合、このソフトを使うのが良いでしょう。(余談Photo AI 3はどうなのでしょうか。生成AIの可能性もあるかもしれません)

完成

 これにて完成です。あとはSNSに上げるなり、プリントするなりご自身の楽しみ方をすると良いでしょう。

与太話

 キヤノンがEOS R1,R5IIでディープラーニング技術を活用し、PCソフトで提供されている技能がカメラ内でのアップスケールやノイズ低減が出来るようになりました。PCソフトと同様のクオリティーがカメラ内で出来るとは考えにくいですが、簡単に画質が良くなる機能の実装はありがたいです。各社これから同様な機能が搭載して欲しいと思います。

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