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人へのスタンスを「絶対に」変えない難しさと大切さ

最近、「変わる」ことと同じぐらい「変わらない」ことが大事だと思っています。

チャンスの女神には前髪しかないように、人が人に救い手を伸ばすのも、ほんの一瞬だと思うのです。

頼り頼られるのは、ほんの一瞬

我慢して限界になりそうになったとき
何かの違和感を感じたとき
どうしようもない不安を感じたとき

人が人に頼る瞬間は、ほんの一瞬だと思うのです。

普段の人への姿勢は、「その一瞬に相手から頼られるか」を問われているように感じています。

人の心の機微に敏感な人はそのわずかな一瞬を捉えて、「頼っていいんだよ」と言うことができますが、自分はそんなに器用ではないので、どんなときでも「絶対に」人へのスタンスを変えないと決めています。

「いつでも帰ってきていいよ。」
「基本信頼してるから、任せる。」
「いま?時間あるよ、大丈夫。」

いつでもそう言えるようでありたい。普段の会話でも1on1でも飲み会でも。そのために個人的に大事にしていることが3つあります。

1 自ら進んで、相手を信頼する
2 その人の可能性を最大化する
3 正直である

1 自ら進んで、相手を信頼する

人は信頼されているかいないかを、敏感に察知することができます。

抱いた不信感はそうそう隠せはしないと考えていて、言葉、ニュアンス、表情、動き、あらゆる場面に表現されてしまいます。

なので相手からの信頼を待つのではなく、まず自分から相手のことを信頼することから始めています。

任せてみて失敗したら振り返ればいい。
成功したら継続すればいい。

そのくらいのスタンスです。(信頼ってなんだ?という方はこちら。

ただそれができる職場や環境を作るには、そもそも会社やチームの戦略が、市場や外部環境の中でクリティカルである必要があります。

何も考えずに目の前のことをやっても、戦略的に正しい行動が取れるポジショニングが必要だと、常々思っています。

環境と戦略を整えた上で、圧倒的に信頼することから始めて、一緒に不確実性を乗り越えられるようになっていきたい。

2 その人の可能性を最大化する

人には、すきなことや得意なことがあります。やりやすいコミュニケーションや進めやすい進め方もあります。パフォーマンスをよく発揮するには、その人ごとの特徴を確実に抑えることが肝要だと思います。

捉えた上でその人の一番良い部分を一番良い形で表現できるような環境を整える。組織を整える。それができればいい。

メンバーの最大速度が、チームの最大速度になるようにしたくて、「みんなで進む」ということを大切にしています。

あなたがいると、僕たちはもっと遠くに行けるんだ。一人で行った方が早いかもしれないけど、より遠くまで行くにはあなたの力が必要なんだ。

あなたがいると、僕たちはもっと遠くに行けるんだ。|ひらやま

どれだけチームの成果をあげたくても、ひとりひとりに向き合えないチームは、成果をあげるどころか、空中分解してしまうのではないでしょうか。

だからまず目の前のひとりの可能性を最大化することから始めています。そのために必要な関わり方は、放任かもしれないしマイクロマネジメントかもしれない。それはその人の特性と状況によって変わるので、都度都度ひとりひとり変化させています。


3 正直に話す

正直さは、メンバーのためでも、自分のためでもあります。嘘をつく、悪いところを隠す、不誠実な対応をすることは、人知れず自分を傷つけ、回り回りって全体にマイナスの影響が出ます。

まず何事も現状把握からすべきところを、かりそめの現状から理想と課題を出してしまうとすべてが水の泡です。だから良いことも悪いことも、基本的には正直に伝えることを大切にしています。

嘘をついて取り繕うことはできるのですが、それは人知れず自分を傷つけることだと思ってしまうのです。

その場かぎりではなく、長期的に良い関係を築いていくために正直さを大切にしています。


同じでいることは、難しい

ここまで大切にしていることを書いてきたのですが、正直に言うと、いつもありたい自分でいられているわけではありません。

体調や気分の波があります。仕事が終わりやすいときも何一つ進まないときもあります。自分の仕事やメンバーの仕事に納得ができないこともあります。良いプロダクトを目指しているならば、衝突やこだわり合いはあって然るべきだとも思います。

自分も環境も日々変化する中で、どんなときでも同じスタンスであることは、とても困難なことだと感じます。


ただそれでも、人が人に頼りたいと思う、その一瞬に応えたいから、できるだけ同じスタンスであり続けたいと思ってしまいます。


大切な人から伸ばされたその手を、掴みたい


過去信頼を失ったことも、すれ違ってしまったこともあるから、また同じことは繰り返したくないと強く思い、せめていまの自分にできることは精一杯やりたいのです。


同じスタンスであることは、スタンス以外を柔軟に変化させること

常に同じであることは、常に変化すること同義だとも思っています。

表面的には変わらなくても、日々の思考や目指しているものは変わってゆく。スタンスは変わらなくてもやっていることの効率は上がっていくし、対峙する相手も日々変化してゆきます。会社や組織を取り巻く環境や人のたちも変化してゆく。

あらゆるものが変化し続け、日々変化の速度が早くなる世界の中では、不断の努力があって初めて、人へのスタンスを一定に保つことができる気がします。


無限遠と超近距離の複眼の大切さ

スタンスを変えないためには、ずっと先の未来を見つめてから逆算したポジションを取る必要があると考えています。

事業やサービスの未来
組織の理想のあり方
ブランドの認知と広がり

無限遠の彼方を見たあと、ありたい姿を考えているから、どんなときも一貫したスタンスでいられると思っています。


また一方で、普段関わる人は自分のすぐ隣、あるいは目の前にいます。そのひとりひとりの細部を見つめきる超近距離の目も必要です。

なんか、今日体調悪い?
あれ、髪切った?
やりたいことできてて楽しそうだね。

その人が考えていることがイメージできるくらいまで、その人のやりたいことや価値観を知りたい。自分のことをよく知らない人から何かを言われるよりも、自分をよく知っている人に言われたことの方が説得力があるから。


わたしとあなたから始まるつながりの連鎖

まずは自分から隣のひとりへ。そして隣のひとりからまた次のひとりへ。

信頼して人の可能性を最大化しながら正直であること。人が人のことを大切に思えるつながりが社会に広がっていくといいと、強く思っています。

同じことを言い続けること
それを態度でも示せること
人と自分が一番良い形を模索すること

まずは自分と隣の人のつながりを大切にして、隣の人が差し出した手をいつでも掴める人でありたいと、強く思います。

TOP写真は、GCnote勉強会での一枚。楽しかった。またやりたい。

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ひらやま
最後まで読んでいただきありがとうございます。