6月15日(2003年) 福田正博引退試合
懐かしいチャントを口ずさみ、
福田選手のチャンスをファウルで止めるゼリッチ選手にツッコミを入れ、
歴代選抜メンバーの技に唸る。
ゴールを期待しながら「GET GOAL FUKUDA」と叫び、きっちりと決めた福田選手をスタジアム中が称える。
最高に楽しく、素晴らしい引退試合だった。
時間が進むにつれ、段々と寂しさが増していく。
ユニフォーム姿を見ていたら、引退会見での言葉を思い出して、つい目が潤む。
スタジアムを一周するなか、サポーターから赤いトロフィーを手渡された福田選手が、
一瞬、真顔でそのトロフィーをじっと見つめていた。
それを見た時、一緒にタイトルを取ってあんな風に掲げて欲しかったなと思った。
監督になって実現して貰うつもりでいたけれど、誰よりもレッズを知り、愛しているからこそなのか、なかなかその夢は叶わずにいる。
いいことばかりのサッカー人生ではなかったと思う。
けれど、誰よりも熱く、サポーターから愛された選手なのは、この日の真っ赤なスタジアムが証明していた。
セレモニーでの言葉。
「多くの仲間と、多くのサポーターと、喜び、悲しみ、同じ夢を追い続けてきたことを誇りに思います。」
一緒に闘えたこと、同じ夢を追い続けたことは、私にとっても誇りです。
いつか、また。