11月27日(1999年) 終わりと始まり
認めるのが嫌だったのか、
90分の終わりを告げる笛が聞こえても、涙は出なかった。
延長に入る前に降格が決定したことは、まわりに居た人が話しているのが耳に入ってきたので知ってはいたが、自分の目で降格の文字を見るまでは信じたくなかったのだ。
虚しいばかりの延長戦を終わらせたのは、やっぱり福田選手だった。
彼に与えられた時間の短さに、やり切れない思いや、悔しさが込み上げて、悲しみの感情より上回ってしまう。
私の居た場所からは、うなだれる選手たちの様子は見えても、細かい表情までは確認出来なかった。
スタジアムからまっすぐ家に帰り、テレビで福田選手の泣き顔を見た時に、ようやく降格が現実として突き刺さったのか、何かが外れたかの様に涙があふれて止まらなかった。
ファンからサポーターへと気持ちが変わっていったのは、この年がきっかけで、
少しでもチームの力になりたいという思いと、
疑問だらけだった選手起用など、チームだけでなくクラブのあり方についても目を向けるようになった始まりの年だった。
あの日から何度めかの11.27が来て改めて思う。
忘れてはいけないし、語り続けていかなければと。