「青のオーケストラ」との出会いから1年
私にとって「青のオーケストラ」は、もう仕事ではなくなっていて、単なる「ファン」として作品に接しておりますが。そのきっかけになったのは、去年10月23日に、東京・渋谷ストリーム前の稲荷橋広場で開催された「NHK音楽祭×青のオーケストラ ミニコンサート」に参加したこと。青野くんの演奏を担当しているヴァイオリニスト・東亮汰さんと、NHK交響楽団の2ndヴァイオリン(首席)・大宮臨太郎さん、1stヴァイオリン・後藤康さん、ヴィオラ(次席代行)・坂口弦太郎さん、チェロ・宮坂拡志さんによる演奏会でした。
正直に書くと、この演奏会を知るまで、私は「青のオーケストラ」というマンガも、東亮汰さんというヴァイオリストも存じあげなかったんですよ。あ、日本音楽コンクールの入賞者の演奏は、「クラシック倶楽部」という番組で毎年放送されているから、東さんのヴァイオリンはどこかで耳にしたことがあるかもだけど。最初は行くか行かないか悩んでいて、それでもNHKでの久々の音楽アニメだし、オープンエアでの弦楽演奏会ってどうなるの?(吹奏楽とか、金管アンサンブルなら、ありかも)という興味もあって、足を運んでみた。そこでインパクト大だったのが……。
作品屈指の名場面といえる、夕暮れの河川敷の場面で登場するパッフェルベルの「カノン」。(ほかにもヴィヴァルディの「四季」とか、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第2楽章といった動画も公開されているので、リンク先で検索してみてください)
渋谷の繁華街という場所がら、演奏中の騒音はそれなりに聞こえていたけれど(なにせ、近くの大通りをサイレンを鳴らせた救急車が疾走していた)、こういうスペース(ステージ部分の対面が階段状になっていて、お客さんはそこに座って演奏を聴く)での弦楽演奏って初めてだったから、おもしろかったですね。で、当然「青のオーケストラ」という作品の紹介もあって、PVの第1弾とともに、初めて阿久井先生の原画カットを見て。作品自体も、おもしろそうだな、と。その後、原作コミックスを購入し、すっかりハマってしまったというわけです。
ちなみに、この演奏会の写真・動画撮影はOK。司会の方が「SNSで拡散してくださいね!」って呼びかけていました。で、客席の最前列にアニメの監督の岸雄二さんがいるのはわかった。だって岸監督、マッチョな体格ゆえに目立つんだもの(笑)。そして、阿久井先生のx(旧twitter)やコミックス11巻のあとがきを読むと、先生も参加されていた様子で。
当時は、仕事絡みになるなんて全く思っていたなかったから、気持ち的には完全に一視聴者としてイベントに参加していて。今回の一挙再放送までリアタイするようになるなんて、とても思ってもいませんでした。改めて考えてみると、この演奏会から約1年とちょっと。その1年間に阿久井先生をはじめ、東亮汰さん、千葉翔也さん、加隈亜衣さん、佐藤未奈子さん、土屋神葉さんに取材をさせていただくとともに、たくさんの「青オケ」イベントに参加することができて……。「好き」だけで突っ走れた、濃密な1年だったと思っています。私にとって「青オケ」は、もう一生モノですね。