ジョーカーゲーム 柳広司著
この作品以上のスパイ小説はあるだろうか。私はこの作品こそ最高のスパイ小説だと思う。
時代背景は第一次世界大戦が終戦した頃、日本は海外と条約を締結する度にそのインテリジェンス(主に海外における情報収集能力)が決定的に欠如が露呈し、これを解決するために大日本帝国陸軍に諜報機関であるD機関を設立する。
このD機関は選抜方法が他の採用試験と比べるとかなり特異である。
例えば「今、貴様は階段を何段歩いたのか？」とかサイパン島が書かれていない地図を広げられ「サイパン島はどこだ？」等、異質すぎる色々な質問に完璧に回答出来た化け物達が集結し、D機関が結成された。
この化け物達がD機関でスパイになれるように最高の教育を施され、世界各地で暗躍していく、というストーリーだ。
この小説では、その騙し合いや手に汗握る心理戦などページをめくる手が止まらない、
次は何をするんだろうと期待感と高揚が入り交じった感覚は今でも鮮明に覚えている。
しかし、登場人物があまりにも多いので登場人物を覚えながら小説を読むと頭が混乱するのでそこは注意である。