ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦著
僕は大変頭が良く、しかも努力を怠らないのである。冒頭の文章こそ小説執筆に於いて最も肝要である。とかの有名な林修先生が言っていたが、この著作もそのひとつであろう。当時小学生の頭が良く勤勉なアオヤマ君は足繁く通っていた歯科医院のお姉さんに恋をしており、お姉さんと親密になるにつれて彼女の秘密や謎が彼の前に立ちはだかる。その謎を解こうと彼が挑戦し、その度に成長していくというストーリーである。
この作品は2018年にアニメ映画化され、日本アカデミー賞を受賞した知る人ぞ知る「隠れた名作」であることも注目すべき点である。
この作品で私が最も好きな点が小学生の男の子が大人の女性に恋をするという、叶うはずのない恋と男児が持つ大人の女性に対する憧れを上手く演出している点だ。
この作品を読み終える頃にはまるで大切な恋人を失ったかのような心に大きな穴がぽっかりと空いてしまったような心境になる。そして結果を出す事が大切なのではなく、一つのことに真摯に向き合った事が自分をより大きく成長させてくれる。ということを教えてくれた作品だ。
普段本を読まないあなたに是非おすすめしたい1作品である。