コロナ禍で人口減少が急激に - 未来のドリル
私は将来予測が好きです。
将来がどんなものになるのか予測すると、ワクワクします。
しかし、少子高齢化だけは暗い気持ちになるので、あまり予測したくありません。
予測したくないけど、人口は急激に変化しないので予測精度が高く、確実な未来予測ができます。
そして、新たな課題が日本を襲いました。
そうです、「コロナ禍」です。
私は『未来の年表』を読み、
未来の人口減少について考えてきました。
そこにコロナ禍が突襲ってきて、コロナ禍が人口減少に与える影響を理解したくて、「未来のドリル」を読みました。
結果、コロナ禍は日本の人口減少を加速させることが分かりました。
やばいぞ、ニッポン…。
これはデータに基づくことですから、動かしがたい事実です。
はじめに
まず本書は、日本の深層にある「社会の老化」というものに注目しています。
コロナ禍で日本は、ワクチン敗戦国となりました。
菅首相が、ファイザー社のCEOを迎賓館に招いて会談しました。
一企業のCEOを迎賓館に迎えるという異例の対応に、明らかに国力が落ちたと感じた人は多いはずです。
本書ではこの原因について、
「社会の老化」と呼ぼう。それは、少子高齢化の行きつく先である。質の悪い「国家の病巣」ともいうべきものだ。すべての年代の人々の思考を守勢に追い込み、”無難な道”を選ばせていく。挑戦する気力を吸い取ってしまう”邪気”だ。
と著者はいいます。
また著者は、
本書はコロナ禍が人口減少にどう影響するのか、書き換わりゆく未来の可視化作業である。
といいます。
第1部 人口減少ドリル
第1部では「人口減少ドリル」として、ドリル形式でコロナ禍が人口減少に及ぼす影響について書いています。
この部分を超要約すると、
●コロナ禍により「出生数、婚姻数」が減少し、2021年の出生数は75万人程度まで減ることが予想される。国立社会保障・人口問題研究所は、出生数が75万人になるのは2039年と予測していたが、18年も早く到達してしまう。2021年は「ベビーショック元年」として、長く歴史に刻まれることになる。●高齢者の“過剰な警戒心”によって、主な消費世代の3人に1人が高齢者である日本においては、高齢者向けのマーケットが縮小している。8月の高齢者向けのパック旅行費は前年同月比で実に95.6%減になった。
●外国人観光客は、コロナ禍により大激減した。一方外国人労働者は、日本と同じく人口減少に悩む先進国との世界的な争奪戦となっており、外国人旅行者も外国人労働者も大幅な受け入れの増加は期待できない。
●テレワークなど、これまで導入されてこなかった技術が浸透したことで、オフィス需要に変化が現れ、終電の繰り上げなど社会の変化が加速した。この変化はコロナが無くても、いずれ日本に訪れる変化であり、それが早まっただけである。
●70歳まで働く社会が到来している。政府は、2025年以降に70歳まで雇用の義務化を企業に求めることを視野に入れている。
といったことが書かれています。
うーん、どれをとっても暗い話題ばかりです。
とくに、70歳まで働かないといけないのはちょっと…。
死ぬまで現役で働かないといけないのなら、今から新しく何か始めようかな。そうだ、YouTuberになろう。(笑)
ということはさて置き、コロナ禍の影響により、国立社会保障・人口問題研究所の想定より18年も早く、人口減少が進んでいるのは深刻です。
ということは社会保障を支える現役世代が減りますから、70歳まで働く社会が到来するのは当然ですね。
今の日本が置かれている状況は、こういう状況であることを理解しましょう。
この理解がなければ、前に進むことができません。変わることの第一歩は、知ることです。
第2部 日本を守る「切り札」5ヵ条
そのうえで、第2部では対策として5つの切り札を紹介しています。
●国政選挙に「若者枠」を新設
●中学卒業時からの「飛び入学」導入
●「30代以下のみが住む都市」の建設
●大学を共同キャンパス化する
●若い人々に英才教育をする
これらを総合的にみると、「少なくなる若者を大切にしよう」ということです。
著者は、「社会の老化は、若者を諦めの境地に誘う」と言います。
この5つの切り札を実現するには、相当な覚悟が必要です。
特に、「30代以下のみが住む都市」の建設なんていうのは、政治がリーダーシップを発揮しなければ実現不可能です。
この本ではかなり踏み込み、30代以下のみが住む地域として、東京圏では相模原市や町田市、つくば市、大阪圏では京田辺市や三田市、名古屋圏では一宮市や長久手市といった市町村名まで、具体的に上げて話をしています。
ですが、肝心の政治家が高齢者のため実現は難しいでしょう。
ここからは私の意見ですが、やはり国会議員にも定年制が必要だと思います。
これからの未来を考えなければならない菅総理大臣が、2018年8月現在72歳、自民党の二階幹事長が82歳。
いくらなんでも、年とりすぎですよ。その年齢だと保守的になります。
それに国民の大多数も高齢者なので、その高齢者に不利になることは実現が難しいですよね。
政治家が高齢者で、日本国民も高齢者。そりゃ、シルバー民主主義なんて揶揄されるわけです。
まとめ
ここまで読んでいただければお気づきかもしれませんが、人口減少問題は既に手遅れです。
日本の人口減少は、今回のコロナ禍で決定打を受けました。
今はまだ世界第3位の経済大国ですが、このままの状況では2030年にはインドに抜かれて第4位になることが確定しています。
その後も経済成長は見込めずに、2050年にはインドネシアに抜かれて、ブラジル、ドイツと僅差の第5位になると予測されています。
(2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望 落合陽一(著)より)
最後に著者は、若者だけでなく高齢者に向けて2つのメッセージを書いています。
自分の価値観や過去の成功体験を若者に押し付けない。
自分自身が「社会の老化」という病魔に取りつかれていないかを絶えず意識し、チャレンジマインドを保つ。
これは年齢に関係なんです。
40代後半、団塊ジュニア世代でも、この考え方に染まっている人もいます。
この記事を読んでいるひとのなかに、こういう考え方に取りつかれている方はおられませんでしょうか?
私自身も「社会の老化」という病魔に取りつかれることなく、様々なことにチャレンジしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。