6回京都6日目第11競走 第41回マイルチャンピオンシップ 予想 




※レース概要

京都競馬場の芝1600mで行われるG1競争で、1984年の短距離路線の充実の
為に設立された。過去の優勝馬にはグランアレグリア、モーリス、デュランダル、タイキシャトルな名マイラーが名を連ねる。
マイルチャンピオンシップ(以下マイルCS)は1998年に国際競争に指定された。当時は5頭まで外国馬の出走が可能だったが、2004年に同レースが国際G1に格付けされたことで9頭まで出走可能となった。
2012年からは、JRAが決定したレーティングの上位5頭に優先出走権が与えられる。

※コース概要

スタートは向こう正面の2コーナーポケット。芝1600m内回りよりも
若干右寄りに位置している。3コーナーまでは一直線で、距離はAコース時で
700mにも及ぶ。向こう正面半ばから徐々に坂を登り、3コーナーの所で
頂点を迎える通称「淀の坂」を超え、4コーナーにかけて下っていく。外回りは内回りよりも傾斜が急なのは言うまでもなく、その高低差は
4.3m(内回り時3.1m)になる。最後の直線走路は平坦でAコース時は
403.7mだ。
スタートして前半2Fあたりから坂を登るため、前半のペースはそれ程上がらない傾向にある。ただし前半4Fと後半4Fもほぼ同タイムで極端なスロー、ハイペースにはなり難い。
脚質別成績はセオリー通り前有利の傾向であるが、下級条件と違い前半ペースが流れるので、末脚自慢を素直に評価するのも良いだろう。

※好走馬の条件

好走馬は全て前走7着以内

前走のレース別成績を見てみると出走数最多の富士S組が4-3-1-42。昨年の
覇者であるナミュールもこの組にあたる。またこの組の3着内8頭は、全て
富士Sで4番人気以内に支持されていた。
同じく前哨戦のスワンS組だがこちらは0-2-2-29と勝ち星がなく、この組の
好走馬4頭は全て前走3着以内だった。
前走着順別成績をみると7着以内が10-10-10-89で好走馬が全て含まれる。
このうち連対馬20頭すべてが前走4番人気以内だった。
前走8着以下は0-0-0-53で、余程のことが無い限り巻き返しは厳しいと見て
良いだろう。

血統は父系はSS系、母系はノーザンダンサー系。

2011年以降のマイルCのうち、京都開催だった10戦について集計した
系統別成績は以下の通り。
サンデーサイレンス系:5-5-7-107
その他ヘイルトゥリーズン系:1-0-1-8
ミスタープロスペクター系:1-3-1-23
ノーザンダンサー系:3-1-1-32
ナスルーラ系:0-1-0-6
以上の通り、サンデーサイレンス系が勝ち星のトップとなっている。
さらにSS系を精査すると、3番人気位以内の成績は3-5-2-10で
それ以外の系統の合計である0-4-0-6を大きく上回る成績を残している。
人気サイドの馬がSS系だった場合はそれなりに注目して良いだろう。
逆に4番人気以下ではノーザンダンサー系が3-0-1-23と好調だ。
つづいて距離適性に目を向けると、マイル以下しかG1勝ちが無いのは
フジキセキとロードカナロアのみ。できれば芝2000m以上の距離適性が
欲しい。

次に母系に目を向けると、母父の系統別成績は以下の通り。
サンデーサイレンス系:2-4-1-33
その他ヘイルトゥリーズン系:0-1-0-14
ミスタープロスペクター系:2-0-1-29
ノーザンダンサー系:6-2-4-66
ナスルーラ系:0-2-2-19
その他の系統:0-1-2-15
以上の通り、勝ち馬を輩出しているのはSS系、ミスタープロスペクター系
ノーザンダンサー系の3系統のみ。特に最多の6勝をマークしているノーザンダンサー系は要注目だ。
また好走馬の母系を遡ると、ナミュールは曾祖母がキョウエイマーチ、インディチャンプはリアルインパクトが近親にいる。ソウルラッシュの母系からは米G1馬のヘネシーなど、多くの重賞ウイナーが出ている。母系が優秀であればプラス評価なのは言うまでもない。
また距離適性は父系と同様に、芝2000m以上の勝ち鞍が欲しい所だ。

※注目馬

エルトンバローズ

昨年の毎日王冠では、好位から抜け出すとソングラインとシュネルマイスターの追撃を凌ぎきり、見事な勝利を飾った。それ以来勝ち星からは
遠ざかっているが、馬場が渋ったりと消化不良のレースも多かった感は否めない。良馬場で行われた前々走の中京記念では、ただ1頭59kgのハンデを
背負いながら3着と好走し、続く毎日王冠では0.2秒差の3着と復調気配だ。
末脚持続力型で好位抜け出しからの粘り込みが身上で、瞬発力勝負では
分が悪いと言える。しかし先週の京都競馬場の芝コースのクッション値は、11.1と2020年以降の開催日としては最高値を記録した。
このまま良馬場開催なら面白い存在となるだろう。

チャリン

言わずと知れた欧州最強マイラーである。前走のクイーンエリザベス2世S
では、今年のドバイターフでナミュールを下したファクトゥールシュヴァルを一騎打ちで競り落とし勝利するなど地力は相当といえるだろう。
実績だけで言えば2009年と2011年にマイルCSで好走したサプレザ以上の
実績を持っているが、そのサプレザは香港マイルでも好走実績があった。
欧州のみでレースをしてきた本馬にとって、日本の芝適正が最大の鍵を
握るが、その力を存分に発揮してもらいたい。

ブレイディヴェーグ

去年のエリザベス女王杯以来、11か月ぶりのレースとなった前走の
府中牝馬Sを見事に勝利して嬉しい重賞2勝目を飾った。
先に抜けたマスクトディーヴァを外から差し切った末脚は衝撃で
見事な勝ち方だったと言っていいだろう。
今回は初のマイル戦でありスタートに課題があるが、京都芝の
外回りであれば自慢の瞬発力を生かせるだろう。
新馬戦以来続くパーフェクト連対が続くか期待がかかる。

ナミュール

昨年のマイルCSは、8枠16番の外枠をものともせず、直線を大外から
追い込んで勝利した。その後は海外G1を好走し、安田記念では
ロマンチックウォリアーの2着とした。
今回はその安田記念からの臨戦となるが、中10週以上の成績は2-2-0-1と
久々の競馬でも苦にしないタイプで力は発揮できるだろう。
マイルCSと安田記念は、そのコース特性の違いから両レースの成績は
非直結傾向にあるが、その2レースを両方とも好走できるのだから、マイル戦での実力は相当なものと言えなくもない。
最大の課題はスタートで、そこがある程度決まれば良い脚を使って
最後は突っ込んでくるだろう。

ソウルラッシュ

昨年のマイルCSは、直線で一度は抜け出す物のナミュールの末脚に屈して
2着惜敗。香港マイルは4着と好走し、今年初戦のマイラーズCはセリフォスを下して快勝した。しかし続く安田記念では3着、富士Sでは2着といまいち
勝ちきれないレースが続く。
ナミュールの項目でも書いた通り、安田記念とマイルCSは成績が非直結傾向であるが、22年安田記念13着、22年マイルCS4着、23年安田記念9着
23年マイルCS2着が示す通り、ソウルラッシュは明らかにマイルCS向きの
馬で、1-1-1-0の複勝率100%を誇る京都芝で悲願のG1制覇に期待がかかる。

※今回の予想印

  • ◎13番ソウルラッシュ

  • 〇2番ブレイディヴェーグ

  • ▲4番ナミュール

  • △17番エルトンバローズ

  • ×5番ジュンブロッサム

  • ×8番フィアスプライド

  • ×11番チャリン

  • ×15番セリフォス






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