見出し画像

箱根駅伝直前~母校・青山学院大学の展望

野球、サッカー、プロレス、バスケ、柔道、ラグビー…私はスポーツが大好きで、取材、現地観戦、テレビ観戦など、1年中、スポーツに触れる生活をしています。正月は元日のニューイヤー駅伝、2・3日の箱根駅伝を見るのが定番です。というわけで、今回は箱根駅伝について書いていきましょう。

この時期、箱根駅伝の展望記事は溢れています。専門で取材しているわけではなく、全チームの展望は難しいので、ここでは母校の青山学院大学に絞った話をしていきたいと思います。

まず青学は前回大会からダブルエースの近藤幸太郎選手、岸本大紀選手をはじめ、出走メンバー7人が抜けています。また、2年連続三冠を狙う駒沢大学の戦力が圧倒的であり、優勝は現実的ではないかなというのが、ザックリした予想となります。そのうえで、青学が駒沢大学に勝つにはどういう展開があるのか? 29日に発表された区間エントリーから、オーダーを含めた予想をしていきましょう。

★区間エントリー

1区=荒巻朋熙(2年)

2区=平松享祐(1年)

3区=小原響(4年)

4区=佐藤一世(4年)

5区=若林宏樹(3年)

6区=野村昭夢(3年)

7区=皆渡星七(2年)

8区=田中悠登(3年)

9区=倉本玄太(4年)

10区=宇田川瞬矢(2年)

★補欠登録

松並昴勢(4年)/山内健登(4年)/太田蒼生(3年)/白石光星(3年)/黒田朝日(2年)/塩出翔太(2年)

過去2年、箱根で素晴らしい走りをみせてきた“箱根男”太田選手と今シーズン絶好調で新エースと呼ばれる黒田選手を補欠に登録しています。黒田選手は2区に当日エントリー予定かつ、山登りの5区にアクシデントがあった場合のバックアップ。太田選手は黒田選手が5区に入った場合の2区のバックアップ兼、3区or7区の当日エントリーかなと予想できます。

前回大会は山を走る予定だった選手の相次ぐトラブルで5区が区間9位、6区は区間20位と惨敗を喫し、これが優勝を逃す要因となりました。特殊区間はタイム差がつきやすいため、今回はバックアップを手厚くしてきた印象です。基本的に原監督は5区6区には当て馬を使わないので、トラブルさえなければ5区若林選手、6区野村選手は確定です。ただ、トラブルがあっても5区は登りに強い黒田選手、下りは山内選手、松並選手を控えにおき、前回大会のようなことがないようにケアした布陣と言えます。

とはいえ、5区、6区のエントリーを当日変更するようだったら、駒沢大学の牙城を揺るがすことは100%ないでしょう。青学の理想としては1区荒巻選手が駒沢大学に先着、もしくは秒差でつなぎ、当日エントリー変更の2区黒田選手、3区太田選手でリードを奪う展開にしたいところ。4区佐藤選手、5区若林選手ともに箱根の実績があるので、このベストメンバーを組んで、それぞれがベストな走りをして、駒沢大学に背中を見せる展開にするのが理想です。

6区は前回山下りで爆走が期待されながら直前のアクシデントで外れた野村選手の2年越しの爆走に期待。ここをエントリー変更なく予定通りでいければ、7区に今シーズン好調の山内選手を起用できます(皆渡選手がそのままの可能性もあり)。8区の田中選手は前回も走っており、なおかつ全日本のアンカーでも勝負強さを見せています。9区の倉本選手は10000m28分19秒と、復路を走る選手としてはトップクラスの走力があり、いいポジションで襷を受ければ区間賞候補です。10区は白石選手や塩出選手とのエントリー変更があるかもしれませんが、宇田川選手は1500mの青学記録を持つスピードランナー。最後まで競り合いになることを想定して、そのまま起用することも考えられます。

と、希望的観測を書いてきましたが、最初に書いたように今回は青学が駒沢大学に勝つ可能性は極めて低いと思っています。その理由は「たら」「れば」要素の違いです。青学が勝つためには「山の区間エントリーを変更なく走れたら」「1区で先着できたら」「2区黒田、3区太田でリードを奪えたら」「6区で野村が爆走したら」「いい位置で襷を受けたら」…と、「たら」「れば」要素が多い。一方の駒沢大学からすれば「普通通りに走れば」の一点だけ。「たら」「れば」の起こる確率と数を計算すると、勝率が見えてきます。なので、青学が駒沢大学に勝つ確率は10~20%だろうなという予想になります。

もちろん、前回2位の中央大学や強力な三本柱を擁する國學院大學、山に強いカードを持つ創価大学など、他にも有力校は数多く存在します。箱根は2日間10区間217.1㎞という長丁場です。何が起こるか予測できないのが一番の面白さであり、選手たちにとっては大変なところ。何より各大学の選手がベストな状態で大会に臨むことができ、トラブルなく、しっかり走ってくれることを期待し、楽しみにしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?