見出し画像

ジーンとドライブ vol.2

思いやり…とか愛とか。

人に教えることって難しい。というより無理。そういうこと学べるところもないし、練習もできないし。そもそも、自分が思いやりのある言動ができているか、愛だと思っていることが正しいのかも分からない。

でも、たった一言で体の力が抜けるように心がほどけたり、そっと肩をたたかれただけで涙が出るような…。心が安らぎ、温かくなるような時、それは愛を感じる時なのではないかと思う。そういうことが一つ一つと増えていくと、自分がしてもらったように、今度は誰かにしてあげることが出来てくる。

そうだよ。思いやりや愛は、自分がしてもらったことが基本にあると思う。

ジーンは、(ジーンと言っても外国人ではなく、これ、あだ名です(笑))思いやりや愛にとても欠けている。それは、出会って間もなくして分かったこと。とても厄介な人だ。でも、この人を幸せにしたいと覚悟して結婚した。もはや、どちらが男で女なのか分からん状態だ。愛を与えることが無理でも、受け取ることはできるだろうと思いきや、まさかの受け取ることも儘ならず、人を疑い警戒して…まるで虐待された子犬のようだった。とにかく、笑う事さえぎこちが無いから本当に始末が悪い。

どうしてこんなになってしまったのだよ。なぜなぜ?って全く理解不能だったけど、ジーンの母親と付き合ううちに理解できた。

人が生まれて始めにもらう愛は、母の愛。そう思っていたけど、そうでない場合もあるのだ。ジーンは心が温かくなるような愛をもらえていなかった。その後の人生でも人付き合いを極力避けてきた為にそういう機会がなかったのだ。それで、愛を与えることができない。どう与えればいいのか分からないでいるのだと考えた。

もう、これは見返りなどは一切求めず、愛情を注ぎ続けるしかない。やわらかい愛。甘い愛。厳しい愛。ユーモアの愛。私の中に蓄えてあるいろんな愛を与え続けるしかない。そうは言っても、限界あるけど。とにかくある限りの愛を。反応なくともお構いなし。逆切れされてもお構いなし。そう思い続けて早6年。未だ、ジーンは愛の与え方にもがいている。

そろそろ、こちらも限界ですよ。見返り求めずったって、やっぱり神様じゃないんだから、そろそろ愛をいただきたいもんだ。私の与えた愛はいったいどんな愛になって返ってくるのだろう…。受け取るばかりじゃ幸せにはなれないよ。自分以外の誰かに無償で与えられようにならなきゃ。

きっと、ふいにやってくる。そう信じて、またジーンに愛を与える。


いいなと思ったら応援しよう!