間違った親の育て方
50歳を越えて独身だった女性が、30代の若い男性と結婚をした…という話を、2年ぶりに会う、40歳を過ぎ未だ独身の私の友人が声を荒げて話している。
「若い子をゲットできた熟女を羨んでいるのではない!」と彼女は言う。その30代の男性に、何故、彼女を選んだのかと聞いてみたところ、「彼女はあの年になって何もできないんだよ。守ってあげないと♡」という答えが返ってきたと言うのだ。
確かに、50歳越えて何もできないことはないだろう。出来ないふりをしているだけ?どちらにせよ、男性が守ってあげたくなる可愛らしい人だったのだろう。可愛らしい女性とは何だ。甘え上手で男性に頼るすべを知っている人なのでしょうが、私も友人もそういうタイプではない。甘え下手で何でも自分でやるし、出来なくてもやろうと試みる。そして、大概のことは頑張ったら出来てしまう。頼る必要がなくなる…ということを繰り返しているうちに、どうなるか。女性を守ってあげたいと思っている男性は周りから消え、代わりに、何にも出来ないorやらない男性が側にいる…。世の中うまいことできている。
「絶対、何もできないと思われている女子の方が幸せになるんだ。この世の中は…」
と二人でうなだれる。大体、親の育て方が間違っていたに違いない!と結論付けて笑った。良かれと思って、何でも自分でできるようにと育ててくれたけど。女の幸せという観点からは、間違ってる。出来ちゃダメなんだよ~。だからと言って今更出来ることを出来ないとも言えないし、慣れていない者にとっては、出来ないふりもなかなか難しい。再び二人でうなだれる。
「でもさ、本当に幸せなのは…」と目を合わせ、二人で大笑いした。
幸せの形や色は人それぞれ。比べるものではないし、比べられないけど、時々見比べてしまう人生の曲がり角。人間とは厄介な生き物。