マガジンのカバー画像

娘が拒食症になりました。

12
大学2回生から一人暮らしを始めた娘。夏休みで帰省した際には、既に拒食症を発症していた。始まったばかりの治療生活を綴っていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

【#12】自分の弱さを認め 覚悟を決めて行動する。

2022年4月を最後に娘も復学し一人暮らしを再開したので、しばらく記事はお休みしていました。 その後の娘の変化を記録しておこうと思います。 まず簡単に2023年8月までの状況は以下のとおり。 ◆食事量が増えても体重は増えず◆何故なのか? せめて生理が復活してくれることを望んでいたが、一度減り切った体重は元に戻らないものなのか? そんなはずはないだろうと、むしろ娘の心中にまだ何か引っかかりがあるのではないか?と思い始めた。 娘と対話を続ける中でふと気づいたこと。 もともと娘

【#11】食に対する意識の変化。

▶︎命を繋ぐ食事 それが、私が育った家庭環境だった。 祖父母は農業(メインはいちご)を営んでいたので 加工品ではなく、自宅の畑で採れた旬の食材が 常に食卓に並べられていた。 食材の旨味を引き出すために味付けは薄味で 食事中の会話といえば その時の天候や手の加えようで 食材の味や質がどう変化しているのかなどが 話題になることが常だった。 しかし、結婚し専業主婦となった間は 食材を意識した丁寧な食事をしていたものの、 その後、離婚して働きにでて 時間に追われ出すと、 栄養のあ

【#10】時間軸を未来に向ける。

▶︎拒食症発症からの振り返り・・・2021年8月、一人暮らし先から夏休みに帰省し、 拒食症を発症していることに気づく。 低体重だけでなく徐脈で低体温、 いつ心臓が止まってもおかしくない状況で 即入院する必要があった。 しかし新型コロナの影響で病床に空きがなく、 空きが出るまで自宅で絶対安静待機。 母子家庭のため、娘の側に居られるのは私だけであるので仕事を退職。 入院が決まり、9月〜10月頭まで入院治療。 入院することで、食事ができるようになった。 出された病院食は全て完食。

【#9】自分が本音でやりたいことに没頭する。

【#8】の記事に引き続き、 次に私が提案した 娘の日々の当たり前に意識して欲しいこととしては 体重の数字や体型の変化など、 食事に対するこだわりの原因となることについては一切気にせず、 ただただ、自分が本音でやりたいことに 夢中になり没頭すること。 ありのままの自分を認め受け入れることで 見えてくる自分の性質。 娘の場合は・・・ 第三者の評価が気になる こうあるべきという思考 強すぎるこだわり 妥協できない性格 これらは、今の娘にとって拒食症を克服するためには ス

【#8】まずは不完全な自分・ありのままの自分を認め受け入れる。

約1ヶ月の入院で、 出された病院食は全て完食し 食事が美味しい!! と楽しみに食べれるようになっていた。 そして命の危険の心配はなくなった。 しかしその後、カロリーを一気に上げて 体重増加を図るためか、 病院食はコテコテの油物が増え始めた。 元々我が家は、 煮炊き物・蒸し物がメインの和食派。 だから娘にとっては コテコテの病院食が全く楽しめなくなり、 食事が義務的で作業になり始めていた。 そして、悪いものを食べてしまった! というイライラから、何度もトイレで、 吐きたい衝

【#7】入院から退院までの娘の心の変化

病室の空きが出るまでの自宅療養の期間を経て、 入院が決まってから退院までの約1ヶ月間の 娘の心の変化を、娘がまとめたものを備忘録として転載。 ■入院するまで一日中頭の中は食事のことでいっぱい。 一日の摂取カロリーを自分が許容できる範囲で抑えるために、 一日中、スマホの電卓アプリとカロリー計算サイトを行ったり来たり。 「許容範囲内にするとなればこれくらいの量しか食べられない、実際はもっと満足するまで食べたい、でも食べる量が増えると太ってしまうから食べるのが怖いし、食べたくない

【#6】入院時の選択で決め手となったこと。

娘が夏休みに帰省してから異常を感じ、いろいろと病院を受診し 最終的に、命に関わる重度の拒食症と診断されるまで約2週間。 そしてそこから、本来なら至急入院すべきだが 病床の空きが無い為、空きが出るまでの自宅療養期間が約2週間。 正式に入院ができるまで約1ヶ月かかってしまった。 その間だけでも体重は、3kg減っていた。 しかし、娘の辛く苦しい気持ち、今までの寂しかった気持ちなど 本音を沢山打ち明けてくれた為、親子で深く心を通わす時間を 圧倒的に多くとれたのは不幸中の幸いだったと

【#5】ストレスと栄養失調から起こる、脳の萎縮とその影響

●娘の拒食症は心の病だけではないと感じ始める病床の空きが出るまで 自宅療養しながらの通院となり その間にできるだけ 娘の精神的サポートをしようと努めた。 しかし、娘の拒食症と向きあえば向き合うほど 拒食症は決して心の病だけではないと 強く感じるようになった。 娘の場合、精神的にいろんな悩みや孤独が 緩和されたとしても、食事を前にすると たった一口ごはんを口にするだけで 胃が満腹感を感じ膨れる。(実際パンパンになる) 食べたい意思がしっかりあるにもかかわらずだ。 そこを騙

【#4】娘の心に潜む孤独を引き出し抱きしめる。

拒食症が治癒に時間を要する原因には 心の問題がある。 娘の場合も、【#3】で挙げた 精神的特徴でも見られるように、 性格なのか後天的環境要因なのか ただ単に「太りたくない」という 思いだけではない 本人にも意識できていない何か潜在的な 深い問題を抱えているように思えた。 私がそう思う理由には、 ずっと気になっている事があったから。 それは離婚の際、私は精神疾患を患い 心療内科に通っており、 その時の家庭環境が娘に 何らかの心的影響を与えているのでは? ということ。 今ま

【#3】拒食症を知り、向き合い始める。

拒食症かもしれないと思い 娘の状況と照らし合わせながら ネットを色々と調べ始めた。 調べながら、娘が拒食症であることは 間違いないと思った。 治療にはかなりの時間を要する。 なぜか? 体力回復のための内科的な治療と、 食に対する歪んだ心のもつれを解く為の 心療内科的な治療、 そして、栄養管理が必要になるから。 特に精神面でのサポートは 非常に重要であると感じた。 そこがしっかり元に戻らない限りは 内科的治療をして体力が回復しても また同じことを繰り返す可能性が 非常に高い

【#2】拒食症と気付くまで。

まさか娘が拒食症? とにかく、娘としっかり話をせねば・・・ お風呂から上がって、 ソファーでくつろいでいる娘の 背骨がゴツゴツボコボコした 背中をさすりながら 私「痩せすぎてると思わへん?」 娘「うん。今は思う。」 私「食べれへんの?」 娘「うん・・・食べやなあかんと思うのに   食べれへんねん。」 私「ダイエットしたん?」 娘「違うねん。   たまたま実験授業が遅くなった時   学食もコロナで早く閉まるし、   自炊が面倒で抜き始めたのがきっかけやと思う」 拒食症かも

【#1】帰省した娘の姿を見て・・・

大学2回生の娘。 4月から一人暮らしを始め、 前期試験が終わって夏休みに入り この夏、久しぶりに帰省した。 娘を迎えに駅に行くと、 スーツケースを転がしながら 私の方に歩いてくる娘。 久しぶりに会う娘のその足取りは しっかりしつつも 見た目は、折れそうにガリガリで 顔も小さくなって痛々しい姿だった。 いったい何があったのか? 私「どうしたん?体調悪いの?」 娘「ううん。元気やで。」 私「ちゃんと食べてた?ガリガリやで」 娘「え?そう?普通やで」 私「いや、痩せすぎで痛