【#1】衝動

死にたい。
最近よく思う。

なんのせいかと聞かれたらどう答えるのか。
いまならおそらく病気のせいだろう。

わたしはうつ病である。

いつなったかはわからない。
最初に診断されたのは1年ほど前だが
ずっと病院を拒んでいたので
かれこれ10年以上は経ってるだろう。

原因はいくつか思い当たる。

幼少期の母からの虐待か。
成人直前での父の自死か。
異性からの性被害で大切なものをなくしたか。

またはそれらによって作り出された孤独か。

もしかしたら他のことかもしれない。
わたしにはもうどれなのかはわからない。

ただ病気じゃなくて個性だと思いたかった。

でも日常生活ができないくらいまで
状況は変わってしまった。

朝起き上がれない。
ご飯が食べれない。
外に出られない。
お風呂に入れない。
眠くても寝れない。

当たり前なんてどこにもない。
心の底から感じた。

他者からみればただの過去かもしれない。
いつまで引きずっているんだと
言われることもある。

わたしからすれば
過去ではなく今現在も続いているのだ。

あの時の痛みが。
あの時の苦しみが。
あの時の辛さが。

人間の恐ろしいところのひとつに
自分の知見にないものは
見向きもせず否定することが多い。

わたしからすれば
うつも風邪も同じ病気だ。

風邪で休むと理解されるけど
うつで休んでも理解はされない。

ただ人の見る目だけが変わるだけ。
あの人は異常者だと。

異常者だと思われないために
常に理想の自分を演じ続けた。

どんな時でも明るく
どんな時でも気さくに。
誰にでも優しく。
相手のことを常に尊重する。

何重にも心の鎧を身に纏って。

結果、本当の自分との剥離が生じてしまった。

他人には常に明るく見せなきゃいけない。
誰にも心配と迷惑をかけないために。
常に平常心を保っているかのように。

でも実際は1人ただもがき苦しんでた。

辛い事を誰にも話さず
1人で耐えて耐えて耐え抜いた結果。

誰にも話せないけど常に心の中では叫んでる。

助けて。

今にも消えてしまいたい。
頭の中にはもう1人のわたしが
常に刃物を突き刺してくる。

早く殺してくれとも思う。

もしも死ぬのならば
わたしなりの責任を全うしたいと思った。

だから衝動で消えてしまう前に
わたしのこれまでを残しておこう。

いまは心の整理として。
消えてしまったときは遺書として。
元気になったときは過去の出来事として。

これまでの経験や好きなことを
わたしなりの言葉、ペースで。

たまたまみてくれた人に
少しでも共感や新たな発見
似た境遇の方の拠り所になることがあれば。

誰もわたしにはなってほしくないから。
こんな人もいるんだと知るきっかけになれば。