中耳炎の悲しみ
悲しかったことを、ただそのまま書いています。
文章として吐き出し世に公開することで、この悲しい気持ちを供養できないかなぁと思って。実際、緩和された気がします。
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私は趣味で歌を歌っていて、その日は通っている教室の発表会がありました。この発表会に向けて、何か月も練習してきました。
しかし、発表会の数日前からなんだか喉と鼻の調子がおかしく、鼻腔がつまって、うまく開かなくて、いつも通りに歌えなくなりました。
焦って、練習しました。うがいもしました。鼻うがいもしました。蜂蜜もなめたし、のども温めました。
鼻腔のつまりは解消しませんでした。
そして発表会の日の朝、シャワーを浴びていると、耳に水が入りました。ケンケンしたり、ネットで調べたあらゆる方法を試しましたが、水は取れません。
1時間経っても、2時間経っても、ずーっとつまっていました。むしろひどくなり、鼻、のど、耳、顔じゅう全部が閉塞感でいっぱいです。
そうこうしているうちに発表会が始まり、あっという間に私の出番が来てしまいました。ステージに立つも、音がよく聞こえません。
音が鳴っているのはわかります。でも、自分が歌っている音と、伴奏の音の高低がうまく噛み合わない。音程が全くわからない。自分が何の音を出しているのか、それは伴奏と合っているのか、全くわからない。
ふだん、音程だけは自信があったので、とても焦りました。こんなに音が分からないことがあるのかと。
勇気を出して録音を聞いてみると、やはり音程が大きくズレています。焦りからくる緊張で、声もブルブル震えていて、聞くのもつらい演奏でした。
ひどくショックを受けました。
あまりにもショックが大きすぎて、帰りの電車で半分泣きながら家に帰り、エンエン泣きながらふて寝しました。
あんなに練習したのに。
先生もすごく期待してくれていたのに。
とても悔しい。悲しい。こわくて音楽が聞けない。歌も一生歌えない。むしろ、もう歌いたくない。
期待してくれていた先生が渋滞に巻き込まれ、私の演奏に間に合わなかったのだけ、不幸中の幸いでした。先生が悲しんでいたので不幸ではあるのだけれど。不幸中の不幸とも言えるだけど、この場合は救いでした。あんな演奏聴かせたら、もっと大きいショックを与えたと思うし。
後日、耳の様子が治らないので病院に行きました。風邪をこじらせた鼻炎と中耳炎でした。聴力も悪くなっていました。
耳に水が入って抜けないのは気のせい、というか中耳炎のせい。
ホッとしました。この歌えなさは一時的なもので、治ればまた歌えるんだ。
今もまだ、中耳炎の閉塞感を抱えています。
メンタルの方は、ちょっと鼻歌が出るくらいに回復しましたが、何かのきっかけで急に悲しみが「コンニチハ!!!」と顔を出してきます。悲しみは、いつも元気に人を苦しめてくる。
私の元気が悲しみの元気に勝つには、まだ少し時間がかかりそうです。
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