「ジャズ的なアイデア」でキャリアを考えてみたら(山原すすむさんインタビュー①)
ジャズから得られるヒント
私はジャズピアノを始めてまだ2年半ほどなので、本当にジャズというものを理解できているなんてとても言えないのですが、それでもジャズの一端に触れるにつれ、「ジャズ的なアイデア」って、結構ビジネスキャリアにも応用できるかも知れないなぁと感じることがよくあります。
特に、ますます多くの人が「自律的なキャリア」を考えるようになったこの頃、ジャズというものが持つ本質的な成り立ちから、いろんなヒントを得ることができるのではと思うようになりました。
山原すすむさんは、私から見ると、まさにそのような「ジャズ的なアイデアを生かしたキャリア」を構築されている方のように思えます。というわけで、昨年12月にオープンしたばかりのBlue Note Place(東京・恵比寿)にて、インタビューさせていただきました(全3回)
多面的で有機的につながっている仕事・活動
最初に、山原さんって何をしている人?という質問に一言で答えるのは、なかなか簡単なことではないのです。本業(メインのお仕事)は、企業や個人向けのビジネスコンサルタント・研修講師でいらっしゃるのですが、そのほかにも大学のリーダーシッププログラム講師、屋久島リトリート主宰者、ジャズバンドのリーダー、ピアノとワインを楽しみながらのコーチングイベントのファシリテーター兼ピアニスト、などの多彩な顔をお持ちです。
それらの活動がそれぞれ完全に独立しているのではなく、有機的につながり合って相乗効果を生み出し、魅力を高め合っているように感じられます。このあたりがとても「ジャズっぽい!」と私は思います。
ジャズにもいろんなジャンルがあり、奏でられる楽器もピアノ、ギター、ベース、ドラムなど多様で(さらにボーカルが加わることも)、楽しみ方もライブハウスに行ったり、家で聴いたり、一人で演奏したり、みんなでセッションしたりとそれぞれ。どこから入っても、その奥深さに感服します。そしてそれらが相互に影響し合って、ジャズという分野の魅力と進化をもたらしているように思います。
どんな仕事にも自分らしさを発揮してみよう
山原さんに「どうしてそんなにいろんな活動をしているのですか?」と質問してみると、「もともと面白いことが好きで、いつも自由でいたいと思っています。そして好奇心旺盛なので、いろんなことがやりたいんです」と答えてくださいました。自分のワクワクすることを大事にして、自由な発想で楽しむことを忘れない、まさに音楽に通じます。
また、「既にあるものでも、自分がやってみたらどうなるんだろう?もっと面白くなるかも?と考えるんです」とも。
なるほど!前回の私の記事(https://note.com/kayomiura/n/n26005d23c591)にも書いたように、ジャズはどこまでいっても、「自分なりに演奏する」しかないというのは私もいつも感じています。誰かが同じ曲を演奏していても、自分と全く同じにはならず、そこには必ず「自分らしさ」が反映されます。
何をするにしても、「自分だったらどうするか?自分らしさを発揮してやってみよう」と考えるのは、仕事にクリエイティビティをもたらすちょっとしたヒントと言えそうです。
どんな仕事にもその人らしさが宿り、そのことで人に喜ばれる。これは一般的に「クリエイティブ」だと言われている仕事に限ったことではないと思います。そして、そんな仕事をする人が増えれば、より人間らしく楽しく住みやすい社会になっていきそうです。
その②「ジャズ型『全員リーダーシップ』の有効性」に続きます。
※写真はすべて山原さん提供。プライバシーに配慮して、一部画像を加工しています。