旧山口銀行本通支店(広島)
銀河マロン(WESTEXPRESS銀河)の旅で、広島市街を散策しました。広島はおよそ25年振りでとても懐かしかったです。
近代建築、特に渡辺節さんの建物が大好きで、鉄道ファンになったのも、梅小路蒸気機関車庫がきっかけ。渡辺節さんの建物は、災害や事故にも耐えて崩れないことは有名ですが、原爆にも耐えた銀行が、広島本通りにあることを15年ほど前に知りました。原爆にも耐えたのに解体されてしまいました。しかしその建物の一部は、新しく建てられた建物の中に保存され、それを見るのが長年の夢でした。
しかし、最近は建築を大切に思う気持ちを失ってしまっていました。(下記記事に書いています)
しかし、その銀行があったあたりに近づくと、体が勝手に、今となってはうろ覚えの場所に向かうのです。仕方なく、詳細な位置を調べて見に行きました。かつて夢に見た、旧山口銀行広島支店との対面です。
渡辺節さんはその時代の最先端の建築材料、技術を使われます。コンクリートも厳選されている。どの建物を見ても共通するものを感じます。だから、どれも、「梅小路と同じだ」と思うのです。
この銀行の一部もそうでした。専門的なことはわからなくても、品のある、堅牢な建物だということが伝わってきます。
解体されたことも忘れて、ただ会えたことがうれしかった。気がついたら、みどりのマロンが全部居なくなったことや銀河マロンが素晴らしいことを訴えていました。建築は設計されたその人がそこに居るように感じるのです。その思いはなくなっていなかったようです。
後で迫ってきたのはここで亡くなった人々のことでした。何度も想像した、この銀行を熱風が襲う光景。
しばらく黙祷を捧げました。
銀行の一部はいつまでも、平和の大切さを叫び続けていくことと思います。それが日本に生きるすべての人々に伝わってほしいと思います。そして戦争の無意味さを理解しその阻止のために行動できる国になっていくことを見守ってくれると思います。