2045年までに100%再エネ目標を掲げるブルー・プラネット・アライアンス発足
2022年12月、ブルー・プラネット・アライアンス(BPA)が発足した。BPAでは、ブループラネット気候協定を通じて、小島嶼開発途上国(SIDS)が2045年までに再生可能エネルギー100%の目標達成に向けた法制化を支援する。
トンガとツバルは、COP27でブループラネット気候協定に最初に署名した島嶼国だ。これら2カ国に続き、今後数カ月でさらに多くの国家が協定に署名する予定だ。
BPAは、気候変動対策について先見性のある提唱者ヘンク・ロジャーズ(Henk Rogers)氏が率いており、政府、企業、個人が、化石燃料の排出が地球に与える悪影響を軽減することを目的に、世界的な運動を展開させる道を切り開いている。
ブルー・プラネット・アライアンスは、政策アクション、地域社会に根差した課題解決、そして若者主導のアドボカシーを通じて、気候変動への野心を喚起する。この組織は、姉妹組織であるブループラネット財団の重要な気候変動政策とイニシアティブを基盤としている。ブループラネット財団は、米ハワイ州に、2045年までに100%クリーンエネルギー化を約束させ、全米初となる100%再生可能エネルギー法の制定・成立に導いた。
BPAの創設者ヘンク・ロジャーズ氏は「今こそがその時だ」と言う。「化石燃料が地球上の生命を脅かしていることは誰もが認識しているが、行動を義務付けることに対しては、なかなか行動を起こそうとしていない。私たちは、2045年までに再生可能エネルギーの100%導入を提唱しているが、それは、環境と経済の持続可能性は再生可能エネルギーに依存しているからだ。より多くの島国がブループラネット気候協定に署名する中で、私たちはより強力な提唱で協力し、より持続可能で住みやすい未来に向けて波及効果を生み出すという目標を掲げている。」
今年のCOP27では、11月12日にトンガがブループラネット気候協定に初めて署名し、2045年までの再生可能エネルギー100%の達成を約束した。次いでツバルが11月14日、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)における記者会見で、BPAのブループラネット気候協定に署名し、2030年までの再生可能エネルギー100%達成を約束しました。
大国が抱えるリスク以上に、小さな島々が抱える脅威は壊滅的で、食料安全保障、漁業、農業にリスクを抱える。海面上昇に伴い、島嶼国は沿岸の耕作地の塩害だけでなく、その劣化によって耕作地を失うリスクにもさらされている。小島嶼開発途上国(SIDS)はまた、化石燃料コストの影響を最も受けやすい。太陽光、風力、地熱、バイオマス、水力、波力など、コスト効率の高い再生可能エネルギーを地元で容易に利用できるにもかかわらず、年間数十億ドルのエネルギー輸入を強いられることにもしばしば直面している。
BPAは、3つの柱を軸に、再エネ化の義務化を優先させるアプローチで世界各国を巻き込んだ行動を起こし、この運動への参加希望国を支援する。
・政策アクション
BPA は、個人、組織、都市、州、国、そして最終的には地球の間で、測定可能で拡張性のある取り組みと結果を生み出すことを目指し、地球規模の気候変動対策を開始するために立法化・義務化を重視する。そして 政府が再生可能エネルギー100% に取り組むことを義務付ける法律を成立させ、 クリーンエネルギーの未来を形成するための政策を推進するために、 関係者に熱心に協力している。
・地域社会に根ざした解決策
BPA は、 「United People」 のモットーに基づき、気候危機の解決に極めて重要な役割を果たす地域社会に向けて、ボトムアップ・アプローチで支援するために、ノウハウや知見を共有している。生徒や教師、関係者、住民のすべての行動が、 すべての島と国の再生可能エネルギー100 %の未来の達成という目標に貢献する。
・若者主導のアドボカシー
ブループラネット・グローバル・アンバサダー・プログラム(BPGA)は、2045年までの再生可能エネルギー100%達成に向けて16歳から30歳までの若いリーダーたちがグローバルに活動を行えることを目的に設立された。BPGAは、BPAのリーダーによるミーティングや最新情報への参画や、SDGsの特に7番目「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、14番目「海の豊かさを守ろう」、17番目「パートナーシップで目標を達成しよう」に重点を置く。
BPAは、すべての島嶼国および大国が、企業、政府、リーダーたちと協力し、2045年までに再生可能エネルギー100%という目標達成に向けたコミットメントを行うことを奨励している。現状の悲惨な状態を変化させるために、BPAも各島嶼国も、企業や自国の指導者からの資金提供を呼びかけている。
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