ベルギー、プライベートジェット機と短距離フライトに新たな税 公害対策
ベルギーは、プライベートジェット機や短距離フライトに加え、古くて騒音がより大きな飛行機に対して新たな税金を課すと発表した。その目的は、騒音や大気汚染の削減だ。
現在、ブリュッセル空港を利用する航空機は、離着陸時に発生する騒音レベルによって決められた税金を支払わなければならない。
これまでは、プライベートジェット機などの小型機は免除されていたが、2023年4月1日からは、騒音だけでなく、大気汚染や温室効果ガスの排出量、フライトの目的地によっても税金が決まる。具体的には、500km(310マイル)未満のフライトには、増税となる。
「フランダース、ブリュッセル、ワロニアなど、ブリュッセル国際空港の周辺住民が経験している騒音公害を、そのままにしておくことはできない」。ジョルジュ・ギルキネット(Georges Gilkinet)副首相兼交通担当相は声明を出した。
欧州ビジネス航空協会によると、ビジネス航空はベルギーの全航空輸送量の12%を占める。EUレベルでは、温室効果ガスの排出をめぐって社用機に課税する規則はまだない。しかしフランスは今夏以来、この考えを推し進めてきた。
では、ベルギーで課税対象となる短距離便はどのようなものだろうか。
2022年4月、ベルギーでは短距離フライトに代わる移動の奨励を目的に、EU路線については、乗客1人当たり2ユーロの税金と搭乗税を新たに導入した。
ブリュッセル空港から500km未満のフライトについては、今後、乗客1人当たり10ユーロに増税される。それ以上の距離のフライトについては、2ユーロから4ユーロの範囲の税額となる。なお、乗り継ぎ便の乗客は免除対象だ。
この措置によって、格安航空会社・ライアンエアー社は、「持続不可能な」コスト上昇を理由に、この冬、ブリュッセル・ザベンタム空港の拠点を閉鎖することになった。
ベルギーのこうした決定は、今月頭に報道された、フランスでの短距離国内便の禁止に続くものだ。フランスでは、今後2時間半以内の列車移動で結ばれる都市間のフライトは廃止となる。
フランスは、短距離移動のためのプライベートジェットの使用も禁止しており、より環境にやさしく、国民にとって公平な交通手段の実現を目指している。
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