【愛着障害】依存症と、母なるもの
昨日、訃報がはいってきた山本文緒さん。著書の「恋愛中毒」は、依存症である主人公の苦しい恋を描いていて、私の読後感もニガかったです。
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過干渉、世話焼き。人に尽くし過ぎる。あるいは、いつも人のことでイライラして、自分のことは何もできない。人生が他人中心に回っている。そんなあなたは、依存症かもしれません。
依存症の根底には愛着障害が潜んでいる場合があります。
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愛着障害について書いています。
6日目は、愛着障害の人は「人間関係やそのほかの対象に没入する傾向がある」ことについてお話します。
愛着とは、生後半年から一年半のあいだに、お母さんからギュッと抱っこされることによってできる、母子の絆で、人間関係や人生をやっていくうえでの土台になります。
愛着形成がうまくいかないと、さまざまな生き辛さの原因になります。
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愛着障害の人は、依存症になりやすいと言われています。
依存症になると、抑うつ感と空虚感に苛まれます。愛が枯渇しているからです。
依存症の人は、身体の中とこころに、大きな空洞を抱えているような気がしています。空っぽ、なんです。この空っぽ、な感じが苦しいので、何かで埋めなければ、この苦しみは収まらないのです。
空洞を埋めるために、何かの対象を必要とします。
アルコール、薬物、ギャンブル、恋愛、人間関係、仕事、買い物、食べ物、など。
依存の対象にのめり込んでいる時は、いっとき安らぎが訪れます。
しかし、途切れると禁断症状に襲われて、また依存対象を求めてしまいます。
空洞を抱えるようになったのは、愛されない悲しみに向き合ってこなかったからです。
あなたが感じた悲しみは、圧倒されるほど大きなあまり、体験として処理されずに、凍結されて永久凍土のなかにしまわれています。
体験と感情が自分のものにならずに、身体から抜け落ちて、その部分が空洞になります。
あなたが悲しみを抑圧するたびに、空洞は大きくなっていきます。
元の自分を取り戻していくためには、ばらばらになった過去の体験と感情を統合していく必要があります。
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依存症をうみだしていたのは愛情飢餓だったのです。
すべての依存症は、依存対象が何であれ、「母なるものとの一体化」への試み、なのだそうです。
アルコール依存症の患者は、どん底まで落ちて、底つきをしたとき、光を見る体験をするのだそうです。
そして、そこから回復が始まるのだそうです。