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好きなことが人のためにもなる生き方を広めたい

20年前の挫折

自分の好きなことで生きていく。
そんな生き方に憧れてきたし、そういう人の話を聞くのも好きだ。
 
20年前、挫折した夢がある。
本を書きたい人が、編集者につないでもらうマッチングサービスがある。私はこのサービスに参加し、自分の本のアイデアを形にすべく、出版企画書づくりからサポートしてもらおうと考えていた。
 
当時、サッカー好きの友人・知人が、次々とサッカーをはじめ、スポーツメディアでカメラマンや編集者、ライターとしてデビューしていった。そのいきいきとした姿を横目に見て、私は羨ましかったのだ。

私自身は、サッカー日本代表戦を初めて生で見たのが、パラグアイで開催された南米選手権。以来、生観戦にハマった口である。特にスポーツに詳しいわけでもない。サポーターのNPO法人でメルマガを担当する、ただのサッカー好きにすぎなかった。

そんな私は、当時、医療専門の広告代理店の社内ライターだった。医師へのインタビュー取材や文献資料を元に、原稿を書く。その内容は、疾患啓発や最新の薬、治療法、医師の治療方針や施設紹介など。書き手としての名前が載るわけでもなく、マニアックで地味なことこのうえない。

そんなわけで、あわよくば、ちょっとと違う角度から、何かメディアで実績を残せたら、と考えていた。どうせなら、手に取れて形に残る、本がいい。
 
そんな私が出した出版企画は『サッカーでメシが食える本』。内容は、サッカー関連の職業の人たちを取材し、仕事のやりがいや、どうやったらなれるのか、を問うというもの。自分の羨ましい思いそのままのアイデアであった。
 
幸いにも興味をもってくれた編集者がいたので、何度か会って壁打ちをした。しかし、そのうち、編集者から連絡が途絶えがちになり、立ち消えになった。
私も、そう簡単に出版できるとも思っていなかったので、「まあ、そんなものかな」くらいに思い諦めていた。
 
ところが数年後、書店でこんな本を見かけた。
『サッカーでメシが食えるか?』
ページを開くと、自分の企画とほぼ同じコンセプトの本だった。そして何より、タイトルがそっくりである。
 
やはり、同じようなアイデアを思いつく人もいるのだな、と思う。と同時に、諦めていなければ、自分も出版できていたのかもしれない。そう思うと、やっぱりちょっと、悔しかった。
 

フリーランスになって目指すこと

そんな私も、3年前に医療専門の広告代理店を退職し、フリーランスに転身。今は、メディカルライターとして、元いた業界の仕事を業務委託で受けている。この仕事そのものは、嫌いではない。一生モノの仕事として、今後も続けたいと思っている。
 
しかし、かねてより医療の枠を外した活動もしてみたいと思っていた。そこで、独立を機にブックライターを目指すことにした。いわば20年前にできなかった夢のリベンジである。そこで、著者になりたい人を手伝うKindle出版のプロデュースや執筆代行をスタートした。まずは、それを形にするところまでもっていきたい。
 
今、手がけている本は3~4冊あるが、ジャンルも違うし、著者の年齢・性別もバラバラである(ちなみに今のところサッカー関係の本はない)。
 
それでも、私がサポートしている著者に共通しているのは、著者自身の好きなこと、向いていることを突き詰めたことで、収入につながったこと。そして、楽しみながら活動する先に、日本の社会課題の解決の糸口が感じられることである。つまり「自己中心的利他」で生きている人たちだった。やはり、私はそういう人の話を聞くのが、好きなのである。
 
今は人の本のサポートだが、ゆくゆくは、自分の著書を商業出版として発行してみたいと考えている。このnoteでは、そんな私の取材やブックライティングでの気づきを綴っていきたいと思う。



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