紙で行ったり来たり
9月も下旬となりましたが、まだまだ真夏の暑さ。とてもではありませんが、日中は走れませんし、夜になっても決して涼しいとは言えません。もうすぐ秋の大会のシーズンインとなりますが、この暑さだと辛いですね。さすがに週明けからは最高気温が30度を超えなくなる予報ですが、さあどうなることか。
税務署からのお願い
少し前になりますが、税務署から一通のお手紙が。確定申告はだいぶ前に終わったし、還付金も振り込まれている。今頃なんだろうと少しだけドキドキしつつ(やましいことはありません、笑)早速開封してみると、「保管されている書類の提出のお願い」。要は手元で保管している医療費の領収書を提出せよとのこと。
拙ブログでも以前お話ししましたが、ここ10年の確定申告では、添付・提出を省略できる書類がだいぶ増えてきました。例えば、かつては給与所得がある人は源泉徴収票を当然のように添付したものですが、平成31年度税制改正により、電子申告でも紙での申告でも添付・提示が不要となりました。所得関連については、支払っている側から情報を収集しているので、受け取った側からの証明は原則必要ないということかと思います。もっとも、支払っている側から情報は昔からあるものなので、国税庁の内部でデータがしっかり連携されるようになったということなんでしょうね。
控除関連の書類については、電子申告か紙での申告かによって変わってきますが、電子申告の場合には、ほとんどを添付・提出を省略できるようになりました(詳細はこちらの記事をご参照ください)。
ただ、省略できるということは、逆に省略しないことも可能。つまりあえて提出することも可能ということです。私自身は、自分の手元で保管したくないが故に、省略可能であっても、あえて提出するようにしています。しかしこれには例外があって、それが医療費の領収書。領収書にかわって医療費控除の明細書を作成し、提出するようになっており、肝心の医療費の領収書に関しては、領収書を添付することが不要、というよりはできなくなりました。結果的に、医療費控除を受ける場合には、領収書を法定申告期限から5年間、自ら保管することが必要になりました。
ということで、私自身は、申告はe-Taxですが、提出できるものは全て郵送してしまい、例外的に、医療費の領収書のみ手元で保管としてきました。今回は、その手元で保管していた医療費の領収書を提出してください、ということです。
あれ、戻ってきた…
手元で保管するということは、税務調査等が入った場合には、見せられるようにしなければならないということ。今回わかったのが、税務調査ではなくても、こういう形で提出を求められることがあるんだ、ということ。おそらく一定のロジックで、サンプリング調査をしているんでしょうね。純粋に確率的に決まるのか、申告書の内容的にリスクが高い(問題がある可能性がある)と判断される場合に引っかかるのか。おそらく後者かと思います。
私の場合は、特にやましい部分はありません(笑)し、もともと医療費の領収書は提出したいけれど、手元での保管が義務付けられたから手元で保管していたもの。出せと言われれば出しますとも。もともと申告の際にまとめてあり、申告書とともに保管してあるので、提出物は1分で用意できます。ということで、速攻で郵送。これで手元で保管する必要がなくなり、よしよしと思っていたのですが…
先日まるっと返送されてきました。内容の確認が済めば返送されるんですね。改めて提出のお願いを見てみると、下の方に「提出いただいた書類は、確認した後、返却させていただきます」と書かれていました。あらら。郵送費もかかるしわざわざ戻していただかなくてよいのですが(笑)。
やっぱりデジタル
そういった意味では、やはり本筋は最初から紙をなくすべきということかと思います。先日の河野大臣の年末調整廃止構想も、医療費等については、紙の領収書前提ではなく、デジタルデータとしてマイナポータルに集約されることが前提となっています。
もっともいわゆる医療機関での公的保険対象の治療費がマイナポータルに連携される(これは既に実現しています)のはともかく、自費診療や薬局での医薬品の購入などのデータまで全てマイナポータルに集約するのは一工夫必要。でもそれらはデジタルインボイスのデータを活用すれば、と考えると、やりようはあるはず。紙を送って、目で確認して、また紙を送り返して、ではない世界。やろうと思えば、そう遠くはない世界のはずです。