ジョシュア・ベル〜実験といつもの少年のこと
昨日は、バイオリニスト、ジョシュア・ベルのコンサートでした。
シベリウス、ドヴォルザーク、ベートーベン。クラシックの王道的プログラムを堪能しました。
グラミー賞受賞者でもあるアメリカのバイオリニスト。ジョシュア・ベル。技術も、表現も、問題なく素晴らしい。
ジョシュア・ベルの実験
ジョシュア・ベルといえば、ある実験が話題になりましたね。
ワシントンD.Cの駅で、3ミリオンドル以上のバイオリンを抱えて、世界的バイオリニスト、グラミー賞受賞者であるジョシュア・ベルがバイオリンを演奏する。
何千人もの人たちが通っていったけれど、立ち止まって耳を傾けたのはたった3人。そのうち1人は4歳の男の子。集まったお金は32ドル。
ジョシュア・ベル本人だと気付いたのは、たったひとり。
ワシントンポスト社のコラムニスト発案の実験でした。この実験はピューリッツァー賞を受賞しています。
実験のようすはこちら↓
コンサートの常連さん
名だたるバイオリニストのコンサートにちょくちょく行っていると、コンサートの観客の常連さんも覚えるようになります。
常連さんの中に、かわいい少年がいます。彼は、コンサートに自分のバイオリンを持ってくる。コンサートの始まる前に、コンサートホールのロビーでバイオリンを弾く。小学校5、6年生かな。なかなか上手い。まわりに人が集まってきて、みんなあたたかく見守って、終わった後には大きな拍手。
彼は、いつもお母さんと一緒に来ていて、花束を持参する。ソロイストの演奏が終わって、アンコールに応えるためにステージに再登場するときに、花束を渡す。なんとも可愛らしく、心温まる光景。
これまで、何回も見かけたこの少年。
いつも固い表情のヒラリー・ハーンも、この少年が花束を差し出すと、とたんに目尻が下がり、喜びの表情になりました。
ユリア・フィッシャーは、ひざまづいて花束を受け取り、少年の目の高さで少年を見つめて声をかけていました。女神様レベルの気品に満ちていて、母親の顔になっていました。
今までは、女性バイオリニストばっかりだったのですが、ジョシュア・ベルにも花束を持ってきていました。
ジョシュア・ベルは立ったまま手を伸ばして片手で受け取り、なんだか、男と男の友情!・・・みたいな雰囲気でした。いい感じ。笑
バイオリンが好きで好きでたまらないんだろうなあ。
この先、バイオリニストになろうとなるまいと、音楽を愛し、音楽とともに生きていってほしいなあ。
指揮者パーヴォ・ヤルヴィについてはこちら。
私の行ったコンサートのこと。記事をこちらにまとめています。