(コンサート)チャイコフスキーxブルース・リウxサンツー
今週のコンサートはチャイコフスキーでした。
ロイヤル・フェスティバル・ホールをベースとするオーケストラのひとつ、フィルハーモニア・オーケストラによるもの。
2022年3月10日(木)
ロイヤル・フェスティバル・ホール(ロンドン、サウスバンクセンター)
ピアノコンチェルト
このコンサートの目玉のひとつは、ショパンコンクール優勝のブルース・リウくんが弾く、チャイコフスキー、ピアノコンチェルト。
もともとは辻井伸行くんが演奏するはずでした。コロナにより渡航が難しくなりブルース・リウくんが代役に。
さすがの実力です。技能も表現も申し分ない。
クワイア席の欠点
ただ・・・ピアノを聴くには席が悪かった。クワイア席。合唱団の席。クワイア席は、オーケストラの背後に、オーケストラを見下ろすような感じ。
クワイアですから、ミュージシャンの一部。つまり、オーケストラと一体になるような位置にいます。
ピアノの音は客席に向かう。屋根に遮られるから、クワイア席では音が鈍る。ぼんやりとした音。せっかくのスタインウェイの音がクリアじゃない。
ピアノの音そのものがぼんやり。それに対してオーケストラはパワフル。
オーケストラの音は、地響きがしてくるくらい(実際はしてこないけど、そのくらいの印象)パワフルです。楽器ひとつひとつの音が鮮明で独立している。逆に、近すぎて全体のまとまりがない。
全体のバランスが悪い・・・。
せっかくのブルースリウくんのピアノがこんなんで残念だ、残念だ。残念すぎるーーー。(涙)
クワイア席は、ステージを見下ろす位置にあるので、席によっては、ピアニストの指がバッチリ見えるという利点もあるのですが。
ああ。残念。
これからは、ピアノ目当てのときにはクワイア席は避けます。
クワイア席の利点
クワイアは合唱団の席だから、指揮者と対面して、まるで自分が音楽家の一部になったような錯覚に陥ります。
客席からでは絶対に見えない、指揮者の指示のひとつひとつが見える。顔の表情ふくめて指揮の一部。それがしっかり見える。
指揮者はサンツー=マティアス・ロウヴァリ。
今回のコンサートも、はじめにウクライナ国歌の演奏から始まりました。2月末に、プロコフィエフ、ラフマニノフのコンサートのときにも、ウクライナ国家をロンドン・フィルハーモニー・オーケストラが演奏してくれたのですが、今回は、かなり違った印象でした。
サンツーの味が加わったウクライナ国歌。「国歌」を超えた、芸術になっていました。
↓この動画は、サンツーが、フィルハーモニア(オーケストラ)でベートーベンの田園を指揮したときのことを話しています。
ベートーベンは型にはまってしまうとつまらなくなってしまう。サンツーは、それをどんなふうにアクセントを加えて、面白くしていくか。フィルハーモニアっていうのはどんなオーケストラなのか。
そんなことを話してくれています。
昨年末に、まさしくこの、サンツー指揮のベートーベン「田園」を見たんです。
バイオリニストのペッカ目当てで行って、サンツーに圧倒されて帰ってきたコンサート。笑
今回はチャイコフスキー三昧でした。後半は、交響曲第6番。よかったー。
フィルハーモニアの演奏ではないですが、チャイコフスキー交響曲第6番の映像がこちら↓。
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