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ヨーロッパで美術館〜写真をとること
ヨーロッパの美術館は、写真撮影OK
ヨーロッパの美術館にいくと、写真撮影OKです。中には、作品保護の理由からフラッシュ付加とか撮影不可のものもありますが、ほとんど撮影可です。
だから、みんなパシパシ撮りまくり。
撮っていいって、ありがたい。でも、なんだかなあ・・・と思うこともあります。
作品の前で写真をとる。その間、スマホの画面を見ている。そして、パシャッと撮った後、そのまま立ち去る人が多い。
それから、作品の前でポーズつけて自分を撮影する人も多い。
作品をちゃんと見ているなら別に構わないけれど、ろくに見ていない人たちが多い。
ルーブル美術館は、もうほぼ観光地です。もちろん、美術品を見にいく人たちも多いけれど、多くが、「パリに行ったらルーブルに行かなきゃ」と言う感じで、美術にも歴史にも全く興味ない人たちが「ルーブル行ってきたよ」という証明だけのために行く・・・なんてのが多い。残念だなあ。
でも、写真撮影OKであるがゆえに、ついつい、カメラを通して作品を見て終わってしまう人が増えていると思う。
カメラ通して見た絵なら、誰かプロが撮影した写真が、書籍でもネットでも見れるんだから、自分でとらなくていいのになあ。
実物を目の前にしているから感じ取れることがたくさんある。実物だから訴えかけてくるものがある。遠くで見た時、近くで見た時で見えるものが違うから位置を変えて見てみる。目を近づけて細部を観察する。・・・そんなことが美術館ではできるのに、写真撮影しただけで通り過ぎるなんて勿体無すぎる。
ちょっと話はずれるけれど、子どものこともそう。子どもの写真とかビデオとか記録に残したい気持ちはもちろんわかるし、撮ればいい。でも、度がすぎると、せっかくの晴れ舞台をビデオカメラ越しにしか子どもを見ていなかったりする。自分の目で見た方が、ずっと感じるものが多いのに、もったいないと思う。
写真撮影のメリット
写真撮影のメリットもたくさんあります。最近は私もだいぶ写真を撮るようになりました。
記録用
純粋に記録用。気に入った作品、興味のある作品を撮影して、タイトルや説明も撮影しておく。
美術館に行くと、たいてい図録を買うけれど、図録に収録されていない作品もあるので。
ディーテール観察用
作品の全体像だけでなく、とくに気になる細部を撮影する。細部だけ切り取ると、また別の作品が見えてくる。細かな描写や、筆使いなどがよく見える。しかも、写真に撮ると拡大してみることができるので、肉眼で見るより細部がしっかり見える。
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30cmくらいの小さな作品
パリのポンピドゥセンターにて撮影
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細部を撮影したもの
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パリのオルセー美術館にて撮影
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水にうつる光
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私は20世紀の現代美術が好きですが、特に20世紀あたりになると、近くでは見えないものが遠くで見えたり、形になっていないものが、見方を変えると形が見えたり、見えないものが具象的ではない形で表現されていたりするのがとても興味深い。
そのために、視点を変えていろいろと試してみると見えてくるものが増える。
写真を撮ることで、気づきが増えます。
1週間のパリ旅行で、8つの美術館に行きました。こんなふうに、細部の写真もいろいろ撮ってきました。
こうやって観察してきたから、インスピレーションたくさん受け取れて、試して見たいこと、描いてみたいこと、表現してみたいことがたくさん湧き上がってきました。
さあ、自分の作品にとりくむぞーーー。と、ワクワクしているところです。
追記:トップの画像は、ゴッホの自画像の一部。
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