「何もない」から「何でもある」へ
数年前のことだけど、「ロンドンなんて何にもないしーーーー」って言ってたアラサーくらいの日本人女性がいたんですね。
「へーーー?」って思いました。確かに、日本のものは少ない。日本のお菓子や食べ物は限られているし、日本人向けのファッションもコスメもない。
でも、世界一流の文化(音楽、劇場、オペラ、ミュージカル、美術、芸術、歴史、文学、デザイン・・・)が集結している都市ロンドン。世界的に有名な歴史的な事物がいたるところにあり、古いものと新しいものどちらもあり、都市の中に大きな公園や自然保護地区があり、都市だというのに野生のキツネ、鹿、リス、オウムなど、人間と野生が混在している街。
何もない・・・って何を見てるんだろう?
何が欲しいんだろう?・・・と不思議に思いました。
人間って、意識の向かないものは気づきもしません。スルーします。あることさえ気づかない。だから、その彼女も、ロンドンにこんなにいろんなものがあるけど、興味がないものだったら気づきもしないのでしょう。
いつも興味ないけど、車を買おうとその候補を考えた途端、街にその車がいっぱい走ってるのに気づく。こんなにたくさん走ってるのか!・・・って。
そんなもの。
私が教えている「シュタイナー算数教育教師養成講座」でも、そんなことが度々起こります。
「スパイラルって身の回りのどこにありますか?」
→→→意外と出てこない。
「五角形の星のものって、どこにありますか?」
→→→意外と出てこない。
「%って、どこで、どんなことに使いますか?」
→→→意外と出てこない。
いっぱいあるのに。
講座の中で、スパイラルの形とかをいろいろ見ていくと、あーーこんなところにも、あんなところにも、そういえばあそこにも・・・とどんどん気づくようになる。その講座のあとは、街を歩いていても、スパイラルのものが勝手に目に飛び込んでくるようになる。
今まで全然意識していなかったから気づかなかったけど、いっぱいあるんだ!!・・・と気づく。
知らないと気づかない。無いも同然。
こんなに素敵なもの、美しいもの、興味深いものが、世界にはたくさんあって、それを知らないから素通りしてしまっているのは、もったいない。
知ると、見えるものが増えるのです。世界が広がるのです。世界がもっともっと興味深くなるのです。
だからね、シュタイナー算数を学んでいるひとたちが、「算数がこんなに面白かったなんて知らなかった!」と100%言うわけです。
私が、「これまで数十年、この楽しさを知らずに生きてきたなんて、もったいないことをしちゃいましたねーーー。でも、まだ今からでも遅くない。まだまだこれからでもたくさんの面白い世界を知ることができるから。」って言うと、ワクワクしてみなさん笑顔が溢れるのです。
世界は美しくて楽しいのだから、知ることは歓び。どんどん知っていきましょう。
それに・・・ 「何もない」って思ってるのか、「なんでもある」って思ってるのか・・・その違いって人生の大きな違いをもたらす。
「なんでもある」って思ってた方が、楽しくないですか? 幸せ度高くないですか?