気づいていない幸せ、世界の美しさ
昨日、友達に会うためにロンドン橋までいきました。そう、あの「ロンドン橋おちたー」の。
ついでに、バラマーケットに買い物に。
バラマーケットは、いろいろな食品のお店がひしめくマーケット。珍しいもの、おいしいもの、なかなか手に入らないもの、新鮮な果物、パン、チーズ・・・それからその場で食べられるものもたくさんあって、すごい行列。
そうだ。土曜日だった。週末だから、いつも以上の、ものすごい人なのです。
とりあえず、お目当てのマッシュルームのパテを買う。ロンドンつながりのらんみかさんが紹介していたのを見て、これは食べたい!と思っていたから。
らんみかさんの、バラマーケットの魅力たっぷり紹介してくれている記事はこちら。さすが「魅力紹介マスター」。この記事見てるだけで行きたくなるでしょ。
その後、果物でも買おうかな・・・と見ていたけど、あまりの人の数になんだか落ち着いて見ていられず。とりあえず「パテには美味しいパンも必要だわ」と、パンを買う。
そうだ。バラマーケットのすぐ横にあるサザーク大聖堂に行こう。なんとなく、今朝、この大聖堂のことを思い出していたのでした。
大聖堂の中に入っていったら歌声が聞こえました。
英国国教会の晩祷。Evensong。
夕方のサービスで、聖書の言葉や詩篇とクワイアを合わせたもの。
バラマーケットの喧騒とは対照的な、静かで清らかな空間。そこに響き渡るパイプオルガンと、合唱。人の声のなんて美しいこと。
大聖堂でクワイアを聴くのは久しぶりでした。久しぶりに聴いてその美しさに衝撃を受けました。
大聖堂での音の響きは独特なのです。高い塔に昇っていく歌声は天に届くかのよう。コンサートホールのように、音を吸収して音響効果を高めるのとは反対に、大聖堂の建築は音を反響させます。反響し合った音は、その場でしか聴くことができない神聖さです。
録音には不向きだけど、雰囲気だけでも伝えたくて録画したのがコチラ
↓↓↓
ヨーロッパにいると教会は街にいくつもあり、そこでは祈祷が行われる。教会文化と音楽、芸術は切り離せない。
大きな大聖堂も数多くあるヨーロッパにいて、この美しい音色に触れることをしばらく忘れてた。こんなにも美しいものが、毎日のように教会で行われているのに、私はこれとはかけ離れた毎日を過ごしていた。
私、何してたんだろう。
大好きなヨーロッパにいて、クリスチャンじゃないけど、大聖堂を訪れるのが大好きで、教会から生まれた音楽を聴いているのに。大聖堂がすぐの場所にあり、行こうと思えば毎日でもいける、本当に日常の暮らしのすぐ近くにあるのに。
音楽も芸術も自然も街も、美しい。美しいものに囲まれているのに、それに気づかず通り過ぎる日々。ああ、なんてもったいないことをしているんだろう。
そして、そういう明らかに美しいものでなくても・・・
体がちゃんと動いていて、息ができて、空気があって、感じる心があって、家族がいて、友達がいて、大好きな本やものが家の中にあって、美味しいものを食べていて、安心してくつろげる家があって、なにより私は生きている。
ああ。幸せって、一瞬一瞬にあるから、それを感じる意識があるかどうか。感じなかったら、幸せなんてないもののよう。感じたら、幸せに満ちているのがわかる。
しみじみ、幸せを感じ、深い感謝に心も体も温かくなりました。
一瞬一瞬に幸せがある。
私たちの世界は美しいものに満たされている。
ありがとう。
ちなみにトップの画像は、サザーク大聖堂。後ろに見えるとんがったビルはシャード。この写真のアングルだとシャードが小さく見えるけど、87階建て、高さ310mです。
さすがウェブサイトの画像(↓)は、いかにも高層ビル!・・・って感じをアピールしてる。