Vol.20 耕運!?幸運への第一歩!初めてのトラクター
「トラクターに挑戦するなんて、思ってもみなかった。」――機械を使って耕作放棄地を蘇らせる春の準備。鬼教官(父)のもとで学んだ初めてのトラクター操作と、やっかいな茅の根との格闘を振り返ります。
目次
春の準備、次なるステップへ
サツマイモの収穫を終え、次の春に向けての準備が始まりました。
もともとこの畑は耕作放棄地。長年放置されていた土地は草が生い茂り、地中には根がびっしりと張り巡らされています。表面を草刈り機で刈っても、根が残る限り、すぐに草が再び生えてくる――そんな現実と向き合う日々でした。
「次は土をもっと柔らかく、作物が育つ状態にしたい。」
手作業には限界があると痛感し、そこで登場したのが父のトラクターです。
「私がトラクターを運転する日が来るなんて…。」
そんな驚きと不安を胸に、初めてのトラクター操作に挑戦することになりました。
初めてのトラクター、鬼教官(父)に挑む
トラクターを運転するのはもちろん初めてです。
そして、私の指導役は父――鬼教官。
「ほら、見て覚えろ!」
「真っ直ぐ進め!なんで曲がるんだ!」
父はまるで昭和の部活の監督のよう。畑の真ん中で怒鳴り、手取り足取りの指導とはほど遠いスパルタ教育です。
最初はトラクターのハンドル操作に戸惑い、まっすぐ進むことすら難しい。機械が少しでも傾けば、「あれ?倒れるのでは?」とハラハラします。
「父よ、もう少しだけ優しく教えてくれない…?」と心の中で何度も叫びました(笑)。
それでも、怖い教え方には「甘え」がない分、覚えが早いという良さもあります。
何度も挑戦するうちに、「あ、こうやって進めばいいんだ」と少しずつ感覚が掴めてきました。
「最初は怖かったけど、なんだか楽しいかも。」
おじさんたちが簡単そうに乗りこなしているトラクターですが、実際は操作にクセがあり、慣れるまでは一苦労。それでも、「自分で機械を動かせる」という達成感がじわじわと湧いてきます。
やっかいな茅の根。手ごわい敵との戦い
トラクターで土を耕していくと、次に立ちはだかるのは茅(かや)の根です。
地中にしっかりと根を張った茅は、少し耕しただけでは切りきれません。
「トラクターでもこんなに手強いのか…。」
茅の根は30~50センチも地中に伸びていて、機械が入るのはせいぜい10~20センチ。トラクターで表面の根を切っても、少し時間が経てば新しい草が生えてきます。
「一度で終わらない。何度も繰り返すしかない。」
機械を使えば効率は上がるけれど、手作業で取り切れない部分は残る――そんな現実と向き合いながら、少しずつ土を整えていきました。
春に向けた試行錯誤。畑とともに考える
「今年はマルチを使って雑草を抑えてみようかな。」
自然農法へのこだわりを持ちつつも、現実はそう甘くないことを痛感しています。それでも、できる範囲で工夫を重ね、少しでも畑を良くしたいという気持ちは変わりません。
「土を育てることが、未来の畑づくりに繋がる。」
トラクターで土を耕し、根を切り、春の苗植えに向けて着々と準備を進めています。
感じたこと。新しい挑戦が私を変える
トラクターを真っ直ぐに進めること、ただそれだけに必死になった日。
慣れない機械操作に戸惑いながらも、少しずつ「できるようになる」瞬間が嬉しくて仕方ありませんでした。
「新しいことに挑戦するのは怖いけれど、やってみると案外できるもの。」
会社で事務をしていた頃には想像もつかなかった自分が、こうして畑でトラクターを運転している――その変化が、自信にも繋がっています。
畑を蘇らせることは、手間も時間もかかるけれど、その過程で私自身も少しずつ変わっているのだと感じた1日でした。
最後に
初めてのトラクター、鬼教官(父)のスパルタ指導、やっかいな茅の根――どれも大変だったけれど、その分手応えのある1日でした。
「次は、この土でどんな作物を育てよう?」
春に向けた希望とともに、畑も私もまた一歩前に進んでいきます。