嵐の1日だった。11月の台風は数十年ぶりの襲来にふさわしい大きさで私たちに襲いかかってきた。 私もそのあおりを受け、巻き込まれていった。手始めに、野芥の山奥でこけた。両膝いったのである。妙齢の女性とは思えない体幹の弱さである。痛い。幸か不幸か発見者はいない。ここ野芥という場所から、今日は下関に行かねばならないのだ。占いを受けに行くのである。 アラサーの女は占いに弱い。しかも、単に弱いわけではない。緻密に、確実な筋からの情報を収集し、精査の上で行く価値があると思えば新幹線にも
自慢から入ります。私は料理が得意で、和洋中韓の料理が作れるし、お菓子だって美味しく作れます。母も料理上手で、一緒にご飯を作ることもありました。料理担当になってからは、家のお金で好きに作れたから、宮保蝦仁というエビ料理に挑戦したり、シチューをホワイトソースから作ったりしていました。昔、恋人に喜んで欲しくて、一生懸命シフォンケーキやシュークリーム、チーズケーキを作っていました。2人でアイスクリームを作って、でも私は実家に住んでいて、帰らないといけなくて、凍らせるまで彼の家にいるこ
痩せたいはずなのに三連休毎日バカほど酒を飲んでしまったのでジムに行った。みんなどうやって痩せているのだろうと不思議に思う。普段ブロッコリーとかしか食べていないのかもしれない。 また、あすけんのお姉さんに食事を報告すべきなのに関わらず、前述の通りバカほど飲んでしまったため何を食べたか全く覚えておらず、お姉さんに3日間何も食べていない女として認識されている。書いていて思ったが私が痩せられない理由がこの文章に全部詰まっている。 ところで、なぜ痩せたいかというと、赤レンガ倉庫のクリス
「眠れないことなんか、あまり気にすることじゃないよ。特に生活に支障が出ているわけでもないじゃないか」 「眠れないことに支障が出ない生活の方が問題なんだ。人間というのは多少なりとも完全に眠る時間を作って生活をするものなのに、それができないなんて、生物として何かが欠如しているとは思いませんか。そのような生活しか送れない、私は欠陥品です」 「それならば睡眠薬を使っている人たちはみな欠陥品と言うの?それは大変な暴論だよ。君の理屈に敢えて乗るとするならば、睡眠薬を使ってでも自分を眠らせ
つげ義春の「紅い花」が好きだ。思春期の入り口っぽい子どもたちの、いや子どもと大人の間の人たちの微妙な触れ合いが詩的に描かれている。美しいのだ。この本は昔知人から貰ったもので、私の感性に多大なる影響を与えていると言うと過言かもしれないが、まあ多少なりとも美的センスや話の組み立て方に影響を受けているかもしれない。よく考えたらこの本をくれた友人はこのnoteも読んでくれていて課金までしているので、もしかしたら自分の娯楽を充実させるためにこの本を私に投資してくれたのかもしれないと思う
この間の記事で占いの話をした。割といろんなことを書いていたが私は占いの類が好きな方だ。ゴシップと同じようなものでその対象が他人か自分かというだけである。昔から、好きな人ができようものなら星座や血液型で相性を占ったものだった。あと何故か知らないが占いをやっている人と知り合いになりやすい。サブカルチャーで人と繋がることが多いというのも一因かもしれないが、芸術系の学校に通っていたわけではなかったのに、アボリジニが生み出した楽器を学校の噴水のそばで吹いている後輩に「ホロスコープを読
この間友人がInstagramにペット専用アカウントを作っており、光栄なことながら私もフォローしてもらえた。ただ残念なことに私は友人の飼っているペットが苦手なのだ。そのペットが苦手とかでなく、ただ単にその種類の動物を見るのが苦手なだけ。そんなことを日常的に表明することなんてないので、私がその動物を苦手だなんて誰も知らない。 なのでフォローされた時は焦った。前述の通り周知するようなことではないので、当然友人も私がその動物を苦手であることをしらない。それに、純粋に私に信頼を置い
友人とお酒を飲んだ。久しぶりに会う友達が漫画みたいな歳の取り方をしていると嘘みたいで笑えてきてしまう。歳をとるにつれみんな顔つきや表情の作り方、物事の捉え方、果ては髪型や服装の好みまで年相応に変わるものかと面白くなる。特にツーブロックでシチサンに分けた髪をワックスで遊ばせていようもんなら爆笑である。男性の方が社会に出てオシャレを好きになる人が多い気がしているので尚更だ。本当は女性でも面白いことはあるけれど、具体例があまりにも具体的なのでここでは置いておく。 笑ってしまうのは
私には親友がいる。福岡に来てからずっと友達で、住む場所が離れてもたまに連絡をとって、仕事や夢の話をする。彼女も芸術家で、歌や詩などの活動をしている。私の大好きな大好きな友達なのだ。彼女も詩のお仕事などで私を題材に取り上げてくれることがあり、お互いの夢を励まし合うような仲である。私が怒ってしまって引っ込みがつかなくなり、錯乱しても「なんで怒ってるかわからないけど、私はあなたと友達でいたいよ」と言ってくれる、私には勿体無いほどできた友達である。それに、その子もきっと私のことちゃん
フルーチェが怖い。まんじゅう怖い的な話ではなく、口にするのが恐ろしいのだ。 思えば、昔から好きな服は着ることを許されなかったが、好きなものはなんでも食べさせてもらえた。ピアスも染髪も禁止されていた我が家であったが、メルヘンママであるところの母は父の取り決めに従わず私たちにいろんなものを食事として与えた。父が監視できない範囲では母は非常に自由に振る舞う。 例えば、昔から我が家では何故かシリアルを朝食として食べることを父から禁止されていたが、父が出張などで家を空ける場合は普通
宮崎県東諸県郡綾町にはツルマルツヨシがいる。 シンボリルドルフの息子で、G1にも勝った強い馬である。会いに行った。「強くて優しいおじいちゃん」という感じの馬だった。 偶然だな、と思った。私の強くて優しい祖父も同じ町で生まれているからだ。だから綾町へ行ったのだ。 綾町は田舎である。どれくらい田舎かというと、ユネスコエコパークに登録されるほど雄大な山と森と川がある、突き抜けた田舎である。鮎も取れる。ユネスコエコパークについて知らなければ各自調べていただきたい。ここまで田舎だと地方
私は割と運動が好きだ。バイト終わりに軽く運動したり、格闘技系の習い事をしている。バイト先の偉い人には「そんなに倒したい人がいるのか」と言われた(この歳になるとそういう人もいくらかいるものだと思う)。どうあれ身体を動かすというのは案外さっぱりしていいものだなあと思っている。なぜか親世代の方から褒めてもらえることもあり、心身共に美味しい。 一方体育とかいう性知識しか育たない教科はかなり嫌いであった。まともにできるのは習い事をしていた水泳くらいで、それも人並みくらいにしかでき
みなさんはションベン小僧をご存知だろうか。あのお腹がぽっこりした、クルクルの癖っ毛の男の子が噴水とかでチョロチョロションベンしているように見える彫刻のことである。 あのパロディで、ションベン少女というものがある。その少女は座りションをしているのだが、センター分けに加え2つ縛りをしているのでかなり芋臭く、ションベン小僧のようなある種のファンシーな可愛らしさはあまりない。生々しくて若干不気味ですらある。何ウケを狙ったのかよくわからないが、そもそも元ネタのションベン小僧自体が下等の
私は非常に稀かつ一途な恋心を持つ人間である。なんてったって10年に一度くらいしか自発的に人を好きにならないのだ。情熱的かつ粘着質なのである。 10年って長い。小学生の頃2分の1成人式なるものが学校で行われていたが、同じ月日が経つと本物の成人式が開催されるのだ(分数の足し算ができてもやっぱりびっくりする)。 その頃、つまりちょうど10歳くらいの時に私に初恋の人ができた。Kくんである。彼は広島から転校してきた目元が魅力的な美少年で、クラスの女子の半分は彼のことが明らかに気になって
友達に「エッセイを書いた方がいいよ」と言われたので、しばらく実験的に投下してみることにする。 今回は敬愛するさくらももこ先生に倣い家族、その中でも父母のコミカルな面にフォーカスしてみようと思う。なぜならば父はかなり厳格かつ神経質で、キビキビと働くエリートサラリーマンであるからである。多面性は面白い。だから父と、その伴侶である母について書く。 父がどれくらい厳しいかというと、姉が買ってきた迷彩柄の服を「軍人が着る服だから」という理由で捨てたり、染髪禁止(銭湯みたいだ)、ピアス
友人に薦められてエッセイを書いてみたところ思った以上に好評だったので,noteに纏めていこうと思う。 多機能なサイトっぽいので今後他の用途で使うこともあるかもしれないが,しばらくはエッセイや他のブログに載せていた文章をリライト(ASIAN KUNG-FU GENERATION)したものを載せようと思う。エッセイなのでフィクション等が入るときもあると思うけれど,ご了承ください。 ではそんな感じで,よろしくお願いいたします。