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バンコクからの旅日記 (14) ネパール|パシュパティナートで葬儀を見学する

2013年のネパール。広い広いカトマンズの見学の続きです。

チベット仏教の次はヒンドゥー教エリア。パシュパティナートはネパール最大のヒンドゥー寺院とヒンドゥー教徒の人達が住む地域。
ここに観光客が来る目的、それは葬儀の様子を見学すること。

葬儀場やその跡が観光スポットになっているところは多々ありますが、実際の葬儀の様子を見学するというのはあまりないと思います。

パシュパティナートの壮大なヒンドゥー寺院と居住区。ここにはヒンドゥー教徒以外は立ち入ることはできません。異教徒は川の反対側か、橋の途中、そして周りの丘の上から見学します。歴史のありそうな街です。

そして、川の対岸から見学するのは現在進行中の葬儀の様子。コンクリートの3つの台は火葬場。祈祷や儀式が終わった後は親族が遺体をここに運び、様々な装飾品と一緒に火葬します。

見れば見るほど湧き上がる疑問。遺体は薪の上で藁に包まれているものの、その他の着火剤に相当するものは特に見当たらず、(油を振りかけているとガイド氏は言っていましたが)煙は出ていても火力は相当弱そう。
これで火葬は完了するのであろうか???
タイの火葬も薪を使っていますが、完了まで一晩かかる。
こちらも相当時間をかけるのかな。
そうやってみんな家族の死を受け入れていくのだ、というガイド氏の説明を聞いて、ハイテク焼却炉で1時間で完了する日本との違いを思ってしまう。

以前、タイの我社にはネパール人のマネージャーがいた。父上が亡くなった時、長男であった彼は二週間の休みを取って葬儀に参加していた。彼の故郷もヒンドゥー教で、一週間以上儀式があると言っていたっけ。

そんなことをぼんやり考えていると、火葬が終わったようでひとつの火葬台から遺灰や燃えカスが川に投機(言い方が不適切かも)されていました。
輪廻転生を信じているヒンドゥー教では聖なる川に遺灰、遺骨を流すことで死者は後に蘇る。お墓もその後の法要もない。
命日、三回忌、七回忌、お彼岸、お盆と死者の行事が延々と続く日本とはまたまた大きな違いです。

この川、バグマティ川はインドのガンジス川につながっています。ここで葬られた人々の遺灰は時間をかけてインドの聖地に行くわけですね。

バクマティ川にかかる橋の欄干から火葬場を望む

衝撃的な観光スポットですが、人の死に対する思いに関していろいろ考えさせられる経験でした。
人よりも神々のほうが多く住む町、カトマンズ旅は続きます。
(2013年撮影)

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