東南アジアの風景 (73) タイ|メーホンソン 北の果ての癒しの地
メーホンソンは自分にとってはタイに赴任する前からの憧れの地。同僚に元バックパッカーがいて彼からタイでイチオシと強く薦められていたこと、それで地図で探してみたらそのロケーションにも魅せられたからです。
この最果て感。一歩踏み出せばミャンマー。行きたい!と思うものの日本からの休暇旅行ではなかなか難しい。バンコクに住むことになって真っ先に考えたのはこれでメーホンソンにも行ける、ということでした。
2016年当時、バンコクからメーホンソンには直行便がなく、チェンマイからKan Airというローカル線が運航されていました。
欠航が多いと聞いていたKan Air 。祈るような気持ちでチェンマイ空港へ行ったら1時間遅れで離陸。約30分くらいであっけなく到着。ラッキーでした。
搭乗している人たちの多くは地元の方。隣の席のご婦人の手荷物はスーパー袋。ちょっとチェンマイに買い物に行ってきました、という感じ。
滞在したのは町の郊外、森の中の宿。空港から迎えのバスに乗り、5分も走ればもう外は鬱蒼とした熱帯ジャングルとなります。
ホテルの敷地内には木造のコテージが点在。静けさの中でのんびりするには最適。
ホテル所有の農園が見渡せるバーエリア。Rice Terrace なんて粋な名前がついている。
癒され感満載。バンコクでの仕事はなかなかストレスフルだけどこんなところへ気分転換に出かけられるのは有難いことです。
山間の田畑を眺めつつ本を読んだり日記を書いたり。メールもSNSも見ない、電話にも出ないぞ。
日が西に傾いてきました。この時は3月。北部タイは焼き畑の影響によるヘイズが発生する季節で空も煙っています。
夜、宿のシャトルバスで町中へ繰り出す。ナイトマーケットがあるよ、とスタッフに言われたけど、それは200メートルくらいの道端にテーブルを並べた素朴なもの。北部には多くの少数民族が居住していて彼らの手作り作品が並びます。アカ族、シャン族、リス族などそれぞれ特徴のあるカラフルな布製の雑貨中心。ついつい買っちゃいます。
小さな湖のほとりにはミャンマー様式の仏教寺院。ライトアップも周りが真っ暗なのでとても映える。町の中心の夜なのになんとも平和で静か。暴走バイクも酔っ払いもいない。
宿に戻ってまたのんびり。何もしない贅沢がやっとわかってきたアラ還の夜はこうして更けていくのでした。
翌朝、マイナスイオンの中で朝食。これだけでも来てよかった。
滞在中ずっと私のボティガードをしてくれた宿のワンコ。朝の散策にも一緒に行ってくれた。
すっかりリラックスして空港へ向かったらKan Air は欠航。やられたー。代替輸送のバンに乗り、チェンマイまで険しいくねくね山道を4時間。8人の乗客全員車酔いでダウンという修羅場となったのでした。(2016年撮影)