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【日記】思い出編-弟と: 太陽にほえろ!
小学生の頃、「太陽にほえろ!」を毎週楽しみに観ていた。
金曜日の夜「カックラキン大放送!!」をゲラゲラ見終わった後、午後8時「太陽にほえろ!」に釘付けになっていた。
そして、毎週いつも弟と一緒に観ていた。
ケンカばかりしていた姉弟だったのに、「太陽にほえろ!」を観る時は、ピタリとおとなしくなって、TV画面から目を離さない私たちだった。
特に私たち姉弟が一致団結したのは、
"刑事の殉職"の回の時だった。
番組の最後、次回の予告で殉職者が出ることが分かったとたん、私たち姉弟は大きなショックを受け、どうしたら良いのか分からなくなり、大混乱な小学生たちになった。
正確にはどんな言葉を発していたかは、覚えていないけれど、お互い納得いかない怒りと悲しみでいっぱいになり、半泣きでわめき散らしていた記憶がある。
特に、それぞれお気に入りの刑事の殉職の時は、そのリアクションは2倍3倍いや10倍もの騒ぎになった。
殉職者が出る放送の夜、転げ回りながらゲラゲラ笑っていた「カックラキン大放送!!」も虚ろな目で観ていた姉弟。
それどころか、先週の予告を観てからの1週間、次の金曜日がやってくるのが憂鬱でしょぼくれ小学生になっていた。
午後8時。
悲しみが溢れている我が家の居間では、私語は禁止となる。
両親がちょっとでも感想を呟くものなら、鬼姉弟2匹が「しっーっっ!!」と静止していた。
殉職刑事の姿を見つめ、見守る鬼姉弟。
TVの最前列を並んで陣取り、季節によっては、毛布を被って2つのお地蔵さんと化している。
嗚咽と鼻水だらけのお地蔵姉弟。
次回の予告では、新人刑事登場を知らせている。
新人刑事を受け入れるまでは、私たちには毎回少し時間が必要だった。
殉職刑事への思いは、そう簡単には消えないのだった。
いつもケンカばかりしていた姉弟だったのに、「太陽にほえろ!」への思いでは一致団結していた私たちだった。