フィボナッチ比率で押し目買いを完全攻略
はじめに
初心者用の書籍やネット記事で、「押し目買い」や「戻り売り」という言葉を見かけた方は少なくないと思います。
「押し目買い」とは、上昇トレンドで価格が上がっている中で、利益確定等の理由で一時的に価格が下がった時に購入することで、有利なトレードをできる買い方となります。この「押し目買い」を極めれば、安定したトレードができることは間違いありません。
多くの方に広く知られている手法であり、その優位性も認められている手法であるならば、多くの方が使いこなしていてもおかしくないはずなのに、実際に使いこなしている人が少ないのは何故でしょうか?
その理由は、「押し目なのか?トレンド反転なのか?わからない」というところです。
この記事を読んでいただく事で、この疑問を解決し、実際に使うべきタイミングを見定めることができるようになります。是非、最後まで読んでいただき、あなたのトレードが安定することを期待しています。
押し目買いは勝てる
はじめに、そもそも「押し目買い」とは、どういうことを指すのか?これについて、明確に言語化して定義をしておきます。
「押し目買い」とは、上昇トレンドが続いている相場において、一時的に価格が下落したタイミングを捉えて買い注文を行う投資手法。と定義します。
「結構、簡単かも」と思いませんか?
それでは、実際のチャートを見てみましょう。直近のドル円チャートです。
このチャートの中で、「押し目」を探してみてください。
まず、探すには、①「上昇トレンドが続いている相場」で、②「一時的に価格が下落したタイミング」の2つに気を付ける必要があります。
どうでしょうか?
私が見たところだと、このチャートの中で、2つの上昇トレンド(青い矢印)があるように見えます。
そして、その上昇トレンドの中で、一時的に下落しているタイミングを確認すると、明確なものだと4つあるのではないかと思います。
みなさんは、どうでしょうか?もっと細かく拾った方も、もっと少なく拾った方もいるとは思います。
ただ、どうでしょうか?もしも、みなさんが押し目と判断したところで、本当に買うことができていたとしたら、どうでしょうか?
勝率100%で、大きな利益を上げることができていたのではないでしょうか?
押し目買いが難しいかどうかは、一旦置いておいて、上手に押し目買いをすることができるようになれば、安定して勝てるようになれそうだというのはご理解いただけたのではないでしょうか?
なぜ失敗するのか
では、こんなにも優位性が高い押し目買いにもかかわらず、なぜ失敗をしてしまうのでしょうか?
押し目買いをしようとして、失敗するパターンは、次の2つです。
押し目ではなかった。
押し目の位置を誤った。
押し目ではなかった
「押し目」というのは、上昇トレンドの中に発生する一時的な下落のことを言います。
押し目だと思って買ったのに、更に価格が下がり続けて、ついには、直近の安値も割り込んでしまい、一時的な下落ではなく、本格的な下落つまりトレンドの転換だった状態ですね。
この場合の最悪なケースとしては、「押し目かも」と思って買った後にいきなり下がる。それでも、戻るかもしれないと思って何度も踏ん張る。ところがどんどん下がり、損失を拡大させてしまい。損切りするタイミングすら逸してしまい塩漬けにしてしまう。
押し目の位置を誤った
こちらは、確かに押し目のなったのですが、買う位置が早すぎた場合で、その後に価格が下がり続け、「もう限界」といって手放した瞬間に本当に上がっていくというケースです。
「自分が買ったら下がり始め、自分が手放したら上がり始める」あるあるですよね。
2つの失敗の原因はどこに?
なぜ、このようなケースで失敗をしてしまうのかわかりますか?
「いま目の前で起きている下落が、押し目なのか?トレンドの転換なのか?わからない」
そうですよね。ここが一番の原因だとみなさん感じるところだと思います。
この記事の前半で最も重要な話をします。ここは何度も読み返していただきたいところです。
「いま目の前で起きている下落が、どちらなのか?」をわかる人はいないということです。そして、どれだけ勉強や努力をしても、そのメカニズムをわかることはありません。
極端な例を出しますね。目の前で下落が起きている時に、日銀の総裁が会見を開きました。そこで、総裁が「利上げする」と言えば、ドル円は下がりますし、「利下げする」と言えば、ドル円は上がります。
つまり、これから起こる未来の値動きは、未来の要因によってどちらにも動く可能性があるということです。
未来を攻略する方法
じゃあ、「そもそも押し目を狙う」なんて不可能なんじゃないか?
いやそうではありません。押し目かどうかを確実にわかる方法はありませんが、「押し目になるかもしれない」とか「押し目になる可能性が高い」と言うポイントを統計的に知る方法があるのです。
こちらを見てください。
これは最初のドル円チャートを4時間足で拡大したものです。
4つの押し目の中の一つ目のところです。チャート上に水平に引かれた5本の線の5本目の位置で跳ね返っているのがわかりますか?
この何本も水平に引かれた線は、左下の底値127.230から直近の高値137.966の値幅を100%とした時に、何%の比率なのかを表示させたものです。
実際に跳ね返った5本目の線は、0.786つまり78.6%の位置であり、129.528の価格だという表示です。これは、『フィボナッチ・リトレースメント』というツールです。
このフィボナッチ比率を使いこなすことで、押し目になる可能性の高い位置を知ることができるようになります。
(より正確に言うと、トレードで優位性の高いトレードをすることができるという意味ですが、それは、後半で詳しく解説します。)
フィボナッチ比率
フィボナッチ比率とは
フィボナッチとは、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチによって紹介された数列で、次のように定義されます。最初の2つの数字は0と1であり、その後の数字は前の2つの数字の合計として得られます。具体的には、0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…と続きます。この数列から導かれる比率は、特に「黄金比」として知られる1.618に収束します。
自然界におけるフィボナッチ比率
フィボナッチ数列と比率は、自然界のさまざまな現象や形状に現れることが知られています。例えば、ひまわりの種の配置はフィボナッチ数列に基づく螺旋を描いており、効率的なスペースの利用を可能にしています。
また、パイナップルの鱗片や松ぼっくり、さらには貝殻の螺旋もフィボナッチ比率に従っています。これらのパターンは、自然界での進化過程で最も効率的な形状や配置として選ばれてきたものです。
さらに、黄金比は美しさや調和の象徴ともされ、古代ギリシャの建築物、例えばパルテノン神殿の設計にもその影響が見られるとされています。これらの例は、フィボナッチが単なる数学的な概念ではなく、自然界や人間社会に深く根ざした現象であることを示しています。
相場におけるフィボナッチ比率
ただ、こんな話をしてしまうと、フィボナッチ比率は、どこかオカルト的なマジックナンバーのように聞こえてしまって、その効果についても疑わしく感じるかもしれませんが、フィボナッチ比率は、相場分析においても非常に有用なツールとして知られています。
もしかすると、100年前にはオカルト的な要素があったかもしれません。でも、現代ではこれは単なるオカルトではなくなりました。それは、このフィボナッチツールは、グローバルに様々なチャートツールで活用できるようになっており、多くの市場参加者が参考にするようになったからです。
その結果として、これらの比率が予測ツールとして機能することが多くあるようになりました。
このように、フィボナッチ比率は自然界から金融市場に至るまで、多岐にわたる分野でその有効性が認められており、オカルト的な要素を超えた科学的な裏付けを持つツールといえます。
フィボナッチリトレースメント
それでは、具体的な使い方をここから説明していきたいと思います。
操作については、大体同じですが、ここでは「トレーディングビュー」を例に説明していきます。
最初に、左側にあるツールバーの中から「フィボナッチ・リトレースメント」を選択します。
そうしたら、十字のマウスカーソルを①の安値の位置でクリックします。そうしたら次は②の高値の位置でクリックします。
そうすると、簡単に①から②の値幅に対するフィボナッチ比率の%とその価格を表示させることができます。
多少、設定の位置をずれてクリックしてしまっても、後から簡単に修正できるので、安心してください。
一般的に使われるフィボナッチ比率は、以下の5つです。
・23.6%: フィボナッチ数列の1つの数とその2つ後の数の比率
・38.2%: フィボナッチ数列の1つの数とその3つ後の数の比率
・50.0%: フィボナッチ数列から導き出された比率ではありませんが、技術分析で一般的に使用される調整の水準
・61.8%: フィボナッチ数列の1つの数とその次の数の比率(黄金比)
・78.6%: フィボナッチ数列の1つの数とその4つ後の数の比率(61.8%の平方根に基づく)
フィボナッチ比率を使った押し目買い
単純に、このフィボナッチ比率のところで反転することを期待して、押し目買いをしたとしても勝てるわけではありません。
どうすればいいのか?
それは、この5つのフィボナッチ比率の中で、反転する確率の高いラインでトレードを行い、確率の低いラインではトレードを行わないという取捨選択をすることが正解なのです。
しかし、この5つのラインの中で、どれが確率が高いというような単純な話ではないのです。その時のチャート状況によって、それぞれのラインの確率が変わってくるのです。
これは、これまでエリオット波動を研究するだけでなく、これを実践で使ってきた自分が統計的に導ききだした戦略となります。
それをエリオット波動を全く知らないかたでも使えるようにした再現性の高い戦略モデルです。ここから有料コンテンツとなりますが、統計的な見地からクレバーなトレードをしたい方には、必ず価値のある内容となっていますので、最後まで読んでいただければと思います。
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