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チキン利確を卒業する方法

チキン利確とは?

あなたはトレード中に、ほんの少し利益が出た瞬間にポジションを手仕舞いしてしまった経験はありませんか?その後、チャートを確認すると相場がさらに有利に進んでおり、「もっと待てば良かった」と後悔したことがあるかもしれません。このような状況を指すのが、いわゆる「チキン利確」です。

チキン利確は初心者が特に陥りやすい問題で、利益を伸ばせないだけでなく、トータルの成績に悪影響を及ぼします。しかし、この問題を克服することは、安定した収益を得るための大きな一歩です。本記事では、チキン利確に陥る心理的な原因を明らかにし、それを防ぐための実践的な戦略とテクニックをお伝えします。最後まで読むことで、チキン利確を卒業しましょう。


なぜ、チキン利確をしてしまうのか?

「Aさん」は、トレードを始めて間もない初心者トレーダーです。ある日、50pipsの利益を狙い、ドル円のロングポジションを持ちました。エントリー後、相場は順調に動き出し、ほんの数分で10pipsの含み益になりました。喜んだのもつかの間で、含み益が減っていきマイナスになってしまいます。
しかし、運よく再び上昇し、また10pipsの含み益となりました。
その時、Aさんの胸中にある思いがよぎります。

「また、ここで相場が反転して、せっかくの利益がなくなったらどうしよう?」

過去に何度も利益を伸ばそうと欲張って失敗した経験があったAさんは、不安に駆られ、10pipsの利益を確保することを決めました。安心感とともにポジションを閉じたAさんですが、チャートを再び確認すると、相場はその後も勢いよく上昇を続け、最終的には50pips以上の伸びを見せました。

「あの時ポジションを持ち続けていれば・・・」

こんな経験はありませんか?ありますよね。
まず、安心してください。99%のトレーダーがぶつかる壁です。
そして、この壁を克服した人だけが勝てるトレーダーになるのです。
なぜ、誰もがこの壁にぶつかるのか?その要因を解説します。

損失回避の本能

心理学的研究によれば、同じ金額の損失と利益があった場合、人は損失を2倍以上の痛みとして感じると言われています。これは「プロスペクト理論」に基づくもので、人間は「何かを得ることの喜び」よりも「何かを失うことの痛み」に敏感であることを示しています。この特性は進化の過程で培われたもので、リスクを避けることで生存率を高めてきた人間の本能といえます。
これは、石器時代から脈々と人類に受け継がれるDNAに刻み込まれた習性ですので、訓練しない限り克服することは難しいのです。

過去の失敗体験

人間の脳は、失敗した経験を強く記憶し、同じ痛みを避けようとします。特にトレードでは、過去に「利益を伸ばそうとして逆に損失を出した」という経験が、次のトレードに大きな影響を与えます。この現象は「学習された恐怖反応」と呼ばれ、脳の扁桃体がリスクを警戒するシステムを作り出します。

計画の欠如

エントリー時に「どこで利確するか」「どの価格で損切りするか」を決めていない場合、相場の動きに一喜一憂し、冷静な判断ができなくなります。価格がわずかに動くたびに、「このまま利益が減ってしまうのではないか」と不安が増し、結局、利益を伸ばす前に手仕舞いしてしまいます。

チキン利確の処方箋

あなたが生まれる前から人類がDNAレベルでチキンであるので、何も対策しなければチキン利確をしてしまうのは当たり前なのです。
とはいえ、チキンを卒業して、利益を伸ばすためには、それなりの対策が必要となるのです。その具体的な方法を解説していきます。

(1) 明確なルールを作る

事前に、どのタイミングで利確を行うかを明確に決めておきます。
自分がポジションを持つと無限に伸びて欲しいと思うのは人の性ですが、必ずどこかで反転します。
相場は上がったり下がったりです。効率良く値幅を取るには、下がってきて「もうだめだ、ここで利確しないと」というやり方よりも、伸びた頂点とはいかないまでも「ここまで伸びれば十分」というところで利確するのが理想です。
そのためには、事前にどこまで伸びるのかを想定しておくことです。
具体的な価格で決めれるのが理想ですが、インディケーター等を使っている方は、それを基準にするのもありだと思います。

(2) 分割利確を活用する

利益を確保しつつ、相場のさらなる上昇を狙うために、ポジションを段階的に利確する方法です。これも適当に決めるのではなく、(1)と同じで最初から、どこで利確するのかのポイントを事前に決めておくことです。
この方法の大きなメリットは、DNAに直接効くメンタルの安定です。
チキン利確をしてしまった人の多くがその後でつぶやく一言は決まっています。「もっと、長く持っていたら****円の利益になったのに」
そうすると、人間は最もストレスを抱える状況となります。単に負けた時よりも、一旦は手に入れかかった利益を逃してしまったというシチュエーションが人間には一番悪いのです。そうすると、そこから追加でエントリーしたり、無茶な行動を取ってしまったりするものです。
しかし、一部だけを利確していることで、そのストレスを大きく軽減することができます。

(3) トレイリングストップの活用

トレンドが続く間はポジションを保有し、トレンドが反転したら自動的に手仕舞いするテクニックです。あまりタイトな値幅にしたり、**pipsみたいに数値で指定するのは、おススメしません。
では、どこにするべきか?

あなたが、赤の丸でエントリーしたとします。この時のストップは、赤の点線のところです。そして、107円まで急騰しますが、まだここで動かしてはいけません。
そこから、一旦下落しながらも再度上昇し、直前の高値を抜いていった時、つまり緑の丸の部分です。ここで、ストップを緑の点線のところまで引き上げます。
そして、更に同じことを繰り返して、高値を更新していった時、紫の丸の部分ですね。ここで、ストップを紫の点線まで引き上げます。
このように、自己都合ではなく、チャートの波形を見ながら上げていくことが重要となります。

(4) トレード結果を記録する

過去のトレードを振り返り、自分の行動パターンや改善点を把握しましょう。ここまでの準備をしても、やっぱりなかなか人間は変わることが難しいです。うまくいくときもあれば、やっぱり恐怖に負けてチキン利確をしてしまう場合もあるでしょう。
それらを記録して振り返るようにしましょう。
もしも、あの時にチキン利確をせずに予定どおり待っていたらどうなったのか?これを振り返ることが重要です。
場合によってはチキン利確したおかげでマイナスにならなかった場合も出るでしょう。それでもそれを記録して、長い目で見てどうなのか?を振り返るのです。
その振り返りをすることで、ようやく人類はDNAに勝つことができるようになります。
チャートでリアルタイムの値動きを追いかけていても、トレードチャンスを探していても、決して「チキン利確」は治りません。
あなたが過去のあなたの記録と向き合う中にしか、その解決策はありません。

是非、この4つを実践して、チキン利確からの卒業をしましょう。


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