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abide with me

Abide with me; fast falls the eventide;
The darkness deepens; Lord with me abide.
When other helpers fail and comforts
flee, Help of the helpless, O abide with me.


abide with me
ガンジーの愛詩であると知ったこの古い讃美歌が流れてきたとき讃美歌であることですらわからぬまま、とても心に響き、調べるとセロニアスモンクが1957年のアルバムの冒頭でも自分は演奏せずにいれている。
もうひとりわたしの好きなチャーリー・ヘイデンも演奏している。
本当はジャズプレイヤーが演奏し好まれるほど有名なものなのだろう


この春
不思議なタイミングで
その曲は流れてきて、私の心に留まった
音楽とは、
言葉なくても川の流れにときおり
ひっかかる枝のようなもの
そしてそこに言葉があり、いまの私に共鳴する時そこにはさらに意味合いが増す

私に留まってください

その言葉は祈りであり
自分の無力さを自己卑下にはつかわない

神ともに在す

何故小屋をつくるのか、と
考えていたときに
その満ち足りる存在に
留まってほしいと願うとき
仮庵の小屋が
象徴的なものとして
あったのだ

私にとどまりなさい
と声がする
そしてわたしは
夕暮れに
わたしに留まってくださいと
こたえる

闇は深くなっていく
みえぬ世界に
無力であることを
認めざるを得ない 

湖辺に小屋を建ててもらったとき
喧騒の後の夜更けに
蝋燭をひとつ灯した

闇はそこに一筋のひかりが
あれば悪くない
そしてやがて暗闇が薄れて
陽があがるとき
そこに留まる仮庵があるとき
わたしのからだは
仮庵であり、小屋なのだと知る
いづれたたみ、なくなるやもしれぬが
そこに留まるとき
ともに留まってくれる友がおり
たとえひとりだと感じていても
ひとりであればあるほど
ともに、と感じる
ことを感じるために
また小屋を建てる

もうそれは心の中で
日々日々、小屋を建てる
ともに在ってくださいと
そこに満ちてくださいというとき
そしてそれがなされたとき
わたしは他に何が要るのだろうか
それだけでよい、のだ

12.5
#ひとつの音楽からのエスキース


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