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詩の本をつくります

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ふくらみ まだわたししかしらない音 うむように そのちいさきものを そだてゆく 日が立ちのぼるや 朝のささやかな囀り 音 空の気 鐘の音 遠く 音ですらない静かな時間を糧として 金色(こんじき)にかがやく音とする (あるひとりの女性のためのエスキース) It swells, a sound I don’t know yet, like giving birth to a baby, it grows little by little, when the sun ri

    • 小屋考

      おもいもしない、といまかきかけたが ほんとうは「とても」 思っていたことが いま実現して目の前にあらわれて驚いている 湖辺にいるひとをおもって山辺にいた けれど いま山辺のひとが小屋を携えてやってきた 交わることのないと思われてた 2つの点が 旅人のような往来で また 小屋からみる風景に 少しまどろんでは 山からきて またうみの向こうの山を 小屋の窓からながむるとき 結局ひとは そうやって 満たしを感じ また空になり 満たされに「小屋のようなところ

      • transparent

        ・ 言葉が移行する トランスパレント 透き通るその先にあるのは 同じ「言葉」なのだろう 同じ「言葉」なのだろうか 羽根のむこうにその通り道を知り 石にさえそのひとつひとつの 伝わり(伝導)を感じる 言葉なんて感じたものの 記憶の栞にすぎない 目にうつるものを 祝福としてとらえるか 2024.10.25

        • 美しい球体のさなかに

          ・ 美しい球体のさなかに 人知れず そこに 重ねられた 短編をよむ 月光とかかれた その題名の 心の中の読みは ゲッコウであったが ツキヒカリとふりがながあった 月を模した球体なのかは つくりしひとはおらず 憶測にすぎず ほんとうの月をしるひとぞ いづこ 月に近づけば その球体を みることは できようか 遠いからこそ ツキ ヒカリ と心のなかで また呼んでみる 2024.5.15 #井上靖 #川上弘美

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          私は天の風を吸い込もう 光の音をはきだそう 循環の旋律は螺旋のように 悲しみも喜びも様々な 感情をたどりながら その先にいく野原へ 私は共鳴する草と花をまとってとぶようだ

          for march

          from poetry calendar My song flies through the wind, carrying invisible rhythms, perches and tiny seeds. 風を通り道をわたしの歌がとんでいく みえないリズムと止まり木と ちいさな種をはこんでく

          everything、good

          ・ すべてはことごとくよかった 創世記で神が すべてはとてもよかった とできあがったばかりの 世界に感嘆した、 その世界は いまだに美しく みにくさやくるしみ 汚染や憎しみが 横行している 世界も有りながら その中にでさえ 美しさを見出すことが つくられたものの 本質なのではないかと 感じる それでも人生にYESという (夜と霧の作者ビクトールフランクル) それでも、の内容次第では自信はないが それでもあえていうが どんな状況の中でも YESという効力たるや

          everything、good

          夕暮れに夜明けの歌を より

          ・ 僕は喜びに 向かっていた 道は夕闇の霧を 赤く照らし 心のなか 息を飲み 歌っていた 遠い声が 夜明けの歌を 心は燃え 声は歌った 夕暮れに 夜明けの音を響かせながら アレクサンドル・ブローク 夕暮れに夜明けの歌を より

          夕暮れに夜明けの歌を より

          欠片考

          ・ ・・ ・・・ 我欠片考 そこにはもう ないのだ 音のみぞしる さざなみの そこにもうなくとも カタチあり 美しき、よあけのうまれの朝 むかしのことばは むかしの「もの」語りは わたしの、 わたしの かけらをのこしていく そのかけらを またこなごなにしては 絵の具にし わたしは ものがたりを かくのだろうか うたをかくのだろうか 砕けしその色は その色は #玄関花#茶の花#寒露#欠片

          詩も

          ・ 霜降りる 詩も降りる ・ 降りてくるものだ 詩も すべてが粒のようなもの 寺の鐘の音がきこえる ああ 音も 音なき音も 色なき色も いっときの ひとときの あのちいさな 域だけの あのところに そのあつまりしところに わたしの かのひとの 素の粒のようなものも いだかれていようか #霜降#かやつりぐさ #詩と言葉 #旧暦#soulofcalendar. 2023.10.24

          すずらん

          ☁︎ ☁︎ 音のならぬ ちいさき鈴を もっている それはよきことの 知らせが まるで ささやかにしか きこえぬような たいせつにたいせつに 羽根のように 薄き花弁に まもられて ほこらしくも 静かに たたずんでいる 2023.11.15 #かやつりぐさ#詩と言葉 #鈴蘭#植物と私#selier #mugret#植物との往復書簡#imagefromplant

          たいせつ

          もしわたしから 言葉や文字や いろいろな記録のものが きえてしまったとしても 魂の記録まで消すことはできない わすれようとされても けされようとされても もしかするとなまえまで わからなくなっても 刻んだ大切な記憶 大きく刻む大きく切るように 刻んだ記憶はなくならない いたみのような切ない記憶 それはほんとうに大切で だから大きく切るとかくのだと 今朝気がついた 愛おしくて愛おしくて 切なくてほっておけなくて だからその刻んだ、 切り傷のようなところに ふれにいく、ふれられに

          よあけに

          よあけ ひかりのうまれるとき そのときだけ あかくそめる きょうはすこしだけ くものむこうと うみのうえを きょうもまた うまれる いわいのあか そのときの いっしゅんの だれもみていなくても だれもきがつかなくても わたしたちがねむっていても そのまくらもとにとどかせるほどに あかいいろをはなっている ずっとわたしはいるのです ずっとてらしているのです くらやみのここちでも またうまれるのです あかになるために くらやみにまたいくのです あかいいろをまた

          nocturnes

          ・ nocturnes 夜を想う/夜が明ける 朝の粒が 夜の緞帳に 少しずつ 音のように点を落とす ひらかれるというより 透けていく 階調という名のそれは 波うつ糸の泉を催し、営み 静かに蠢めくものたちに 光と音を与える それはわからぬほど 無数の光の連続に それはかさなりゆく 鳥たちのはばたきと 葉のかさなる木々の 夜があけると ようやく そこに 闇という名の音が あったことに気がつくのだ あなたは その音なき音を 音に成す 形などなくていい 光は在ると つ

          還る水巡る草

          ・ 湖畔の木 ・ 湖畔にいくのも山辺にいくのも 日々の記憶の欠片を 取り戻すためなのかもしれません ・ 還る水 巡る草 いろいろな思い 一瞬に消えた言葉や のこっていないように 感じる記憶は 水が流れるように 蒸発するように空気のただ中に まじりあっている 水に触れて 湖辺を歩いて 草木に触れて 還ってしまった、 同化してしまった わたしの中の庭 から言葉をつれてくる それは 疲れているときの交わした おはようだったり 今日は一緒にいて楽しかったよ の声

          還る水巡る草