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開けてくれたのは 君だ
どうやったのか わからないけれど
開けようという気もなかった 僕だ
遠い昔に 鍵も無くしたまま

微笑んでいる 君
僕を試してほしいんだ
その手を離さずに歩きつづけるから

この窓に 陽のひかり
この窓に 雨のにおい
この窓に 海のきらめき
この窓に 明日が入ってくる

閉めてくれたのは 君だ
静かに 誰も気づかないうちに
開けっ放しにしたのは 僕だ
それが愛だと 勘違いのまま

遠くを見てる 君
僕を試してほしいんだ
君がいない時間に生きることはできないと

この窓に 陽のひかり
この窓に 雨のにおい
この窓に 海のきらめき
この窓に 明日が入ってくる

「窓」
矢野顕子作詞


・ 


世界だ
といってくれる
この世界を
知る入り口

窓があることすら
わからないままに
きみは
その薄いガラス越しに
手をのばそうとする


窓の存在に気がつくのはわたし
やさしくきっとつなげるね
でもガラス越しの
あなたは
目がまだみえない

でもきっとその先にある
と信じるあなたは
無心に世界にてをのばす

手を繋ぐその世界には
木漏れ日があり
きらめく魚の一鱗があり
ふみしめる落ち葉の音

まだめのみえぬ
きみに
いつかみせたい
世界


「うまれたてのあなたへ」
窓、より

かやつりぐさ2024.12.9


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